モラハラ夫と離婚で襲いかかる本当の後悔とは?

モラハラ夫との離婚で後悔すること

言葉や態度で精神的に妻を追い込むモラハラ夫と、離婚したいと願っている女性は珍しくありません。

しかし「モラハラ夫と離婚して、本当に後悔しないだろうか…?」と、後悔を考えて、なかなか離婚に踏み切れない毎日を送っていませんか?

この記事では、モラハラ夫と離婚後、どんな後悔に襲われる可能性があるのか?
モラハラ夫と離婚後に後悔しないためには、何を注意すればいいのか?について解説します。

モラハラ夫との離婚に踏み切れず、辛い毎日を送っているのであれば、この記事を参考にしながら離婚について一緒に考えていきましょう。

モラハラ夫と離婚したら、後悔するとは限らない

離婚へ踏み切るまでに、様々な問題が頭を過ぎると思います。
一度は愛し合って結婚した2人が離婚という選択をするまで「本当にいいのだろうか…?」「まだ頑張ってみてもいいのではないか?」など、離婚したい気持ちと、まだやり直せるのではないかという不安が交差していることでしょう。

結論からお伝えすると「離婚したら、後悔するのではないか?」と思っている段階では、あなたの中にまだ夫への愛情や期待が残っている段階です。

  • 話し合ったら、変わってくれるかもしれない
  • 環境を変えたら、夫婦関係がよくなるかもしれない
  • 今ある問題がクリアできるまで、待ってみよう

など、少し期待してはいないでしょうか?

もちろん、夫婦ですから「変わってくれるかもしれない」という点に期待を持つのは悪いことではないです。
しかし、相手が変わってくれることを待っている間に、モラハラによって心も体もボロボロになりながら、結婚生活を続けてしまうのも本末転倒ではありませんか?

離婚を推奨する訳でも、否定する訳でもないのですが、モラハラ夫との離婚で後悔する点は、夫に対する後悔というよりも離婚によって生じる「負担」に対する後悔の方が大きい傾向にあるでしょう。

モラハラ夫との離婚で後悔する理由とは

モラハラ夫との離婚

では、モラハラ夫と離婚すると具体的にどのような後悔が出てくるのでしょうか?

モラハラ夫との離婚で「後悔するかもしれない部分」を事前に把握しておくと、いざ離婚に踏み切った際、後悔するリスクが減少します。

では、モラハラ夫との離婚で後悔する理由を具体的に解説していきましょう!

モラハラ夫への情が残っていた

どんな離婚でも精神的苦痛は大きいものですが、モラハラ夫との離婚はさらに苦痛が大きく感じる可能性があります。

どんなに嫌なことをされても、2人で一緒に幸せになろうと思って結婚した相手ですから、情が残っているかもしれませんね。

とくにモラハラ夫は、自分に自信がないからこそ、相手を言葉や態度で威圧してコントロールします。一度スイッチが入ると歯止めが効かないのに、モラハラをされたあとに「お前がいないとダメなんだ」「もうやらないから」と急変するケースも多いです。

そして、モラハラ被害者は、心を傷つけられながらも「私がいないと、この人はダメなんだ。しっかりしないと」と思い込んでしまう側面もあります。

言い換えて見れば、モラハラ被害に遭いやすい女性は心優しく、情に深いんですよね…。

このことから、離婚直後はモラハラ夫への情が残っていて「本当に離婚してもいいのだろうか…?」と後悔する可能性が高いです。

しかし、モラハラは加害者側も、被害者側も、共依存に陥っているパターンがあるので、時間が経つことで心の健康を取り戻し「離婚してよかった」と心から思える日が来たという方もいらっしゃいます。

離婚すればすべて解決すると思い込んでいた

モラハラ夫との離婚で一番後悔を起こしやすいパターンが、離婚さえすれば今の苦しみがすべて解決すると思い込んでいるというものです。

モラハラ被害を受けていると、「暴言を吐いて、自分を否定してくるモラハラ夫がいなければ、どんなに幸せな毎日なんだろう…」と思う瞬間がたくさんありますよね。

モラハラ夫と離婚すれば、たしかにモラハラ夫から傷つけられることもなければ、モラハラ夫の存在に怯える心配もありません。

しかし、離婚したからといって、全てが上手くいくとも限らないんですよね。お子さんがいらっしゃる場合、1人でお子さんを育てることになりますし、経済面での不安も増えるでしょう。

モラハラ夫との離婚後の生活を期待しすぎていて、離婚後の生活を具体的に考えられていなかった場合は、生活面や将来のことで後悔するかもしれないという点を踏まえておくと、離婚前から後悔しそうな生活面・経済面に対して対策ができます。

子供に対する罪悪感

お子さんがいる場合、いくらモラハラ夫とはいえ、子供にとっては、世界にひとりしかいない父親ですよね。中には、妻にはモラハラ行為をするけれど、子供にとっては良い父親である夫もいるでしょう。

モラハラに耐えられなくなって離婚したとはいえ、「私が我慢すればいいだけなのに、子供から父親を奪ってしまったんだ…」と子供に対して罪悪感が芽生える可能性があります。

離婚後の経済的な問題

モラハラ夫の方が経済力がある場合、離婚によって、以前と同じような生活ができなくなる可能性があります。
「モラハラ夫と離婚できるなら生活水準が下がっても幸せだ!」と考えている方がほとんどだとは思いますが、生活水準を下げたくなかったり、モラハラ夫が高収入であったりした場合は、離婚後の経済的な問題でギャップを感じやすいです。

養育費や面会日を守らない

お子さんがいらっしゃる場合、離婚となれば毎月の養育費や面会日を取り決めますよね。

しかし、約束した養育費を支払わない。面会日も守らないモラハラ夫がいることも事実です。

「自分の子供なのに、信じられない…」とびっくりする話ですが、8割の人が離婚後の養育費を支払っていません。

こちらの調査結果を見てもわかるように、養育費は定期的に支払っている人の方が少ないのが現実です。

モラ夫と離婚後、後悔しないためにできること

モラハラ夫との離婚

では、モラハラ夫との離婚後、後悔しやすい点を踏まえて、後悔しないためにできることをお話します。

  1. 共依存であることを自覚する
  2. 経済的な自立に、貯金の用意
  3. 子供の問題と自分の問題を切り離す
  4. 公正証書で養育費を取り決めておく
  5. 法的に有効な財産分与をしておく

この5つはモラハラ夫と清々しく離婚をするために、必要不可欠な問題です。それぞれの項目を具体的に解説していきましょう。

共依存であることを自覚する

共依存とは、自分と特定の相手がお互いに依存しあっている状態です。

心を散々痛めつけられているのに、どうしても離婚に踏み切れなかったり、心から嫌いになることができなかったりしませんか?
実はモラハラ加害者とモラハラ被害者は共依存しているのです。

モラハラ加害者は、被害者を攻撃することで自分の自尊心を保っていて、モラハラ加害者はどんなに痛めつけられても、「私がしっかりしなくちゃ」と過剰に心配しています。

この共依存こそ、モラハラ夫との離婚に踏み切れない最大の原因なのです。

共依存であることを自覚しない限り、どんなに離婚の準備を進めても、情に引きずられて離婚の決心がつかないもの。

しかし、共依存を自覚しておけば、「やっぱり、私がいないと…」と後ろ髪を引かれそうになったとき、その感情が一時的なものであると分別でき、我に返ることができるのです。

経済的な自立と、貯金の用意

モラハラ夫との離婚

離婚をして新生活をスタートするためには、ある程度の資金が必要です。新しい家や家具を購入する費用や、現在専業主婦の方は仕事が見つかるまでの生活費が必要となります。

モラハラ夫と離婚するまでに、仕事を見つけて、経済的に自立をすること。そして、新生活のための費用を貯金しておきたいものです。

相手がモラハラ夫であるので、働きに出たり、隠れて貯金をしたりするのが難しい方は、一時的に避難できるよう実家や知り合いと話をつけておくことをおすすめします。

子供の問題と自分の問題を切り離す

お子さんがいらっしゃる場合、離婚に対して踏ん切りがつかないですよね。

子供は父親が大好きであったり、離婚することで寂しい思いをさせてしまったりするかもしれません。
子供にとってはかけがえのない母親と父親ですから、無理もないでしょう。

しかし、子供のために我慢して、母親であるあなたが心から笑えない毎日を過ごしているのは、果たして「幸せ」なのでしょうか?

子供のためだと思った我慢が、あなたの心を消耗し続けて、それでいいのでしょうか?

もちろんお子さんにも性格があります。一概にも「これで良かった」とは言えません。しかし、親の離婚は子供の問題と切り離して考えることをおすすめします。

とくに低年齢のお子さんは、親の離婚を自分のせいだと思い込んでしまうことがるので、離婚する際は子供に「パパとママは仲良くできなくて、一緒に暮らせなくなったけど、あなたのせいではないからね」と伝えてあげるのがいいかもしれませんね。

公正証書で養育費を取り決めておく

離婚後の養育費未払いを防ぐために、公正証書を作成しましょう。

いくら口頭で養育費の支払いを約束していても、口頭での約束は何の効力もありません。

養育費の支払いを約束する際に公正証書を用いると、口頭よりも「契約の安全性」が高くなります。

公正証書は、公証役場で作成される文書で、公証人により作成されます。また、仮に約束が守られなかった際、裁判などにも使用できる証拠としても用いることができるのです。

口約束での養育費支払いは、言った、言わないの堂々巡りとなってしまいがちですが、公正証書を作っておけば、約束したことを公的に証明できます。

法的に有利な財産分与をしておく

財産分与とは、結婚生活の中で夫婦が一緒に作りあげた財産を離婚の際に分け合うことを意味しています。

財産分与はたとえ妻が専業主婦であっても、家庭内での貢献度によって分与され、法律上でも認められています。どんなに離婚を急いでいても、夫婦で築いた財産は、どう分与するか取り決めておきましょう。

財産分与について話し合いがまとまらなかった場合は、家庭裁判所に財産分与請求の調停を申し立てが可能です。

モラハラ夫との離婚は『調停離婚』が良い

とはいえ、被害者に依存しているモラハラ夫がほとんどです。夫婦間の話し合いでは、離婚に納得してもらえないことが多いでしょう。

結論からお伝えすると、モラハラ夫との離婚は調停離婚をおすすめします。

調離婚停と聞くと「わざわざ調停を起こさなくても…」と感じるかもしれませんね。しかし、10組に1組の夫婦は調停離婚で離婚をしていることもわかっています。

では、どうしてモラハラ夫との離婚は調停離婚がいいのでしょうか?
その理由を2つお伝えします。

第三者を介して離婚の話し合いができる

モラハラ夫と2人きりで離婚の話をした場合、あなたが責められて話が進まない可能性があります。モラハラ夫は妻と2人きりになると、妻を威圧して、傲慢な態度をとりますから、妻の話に耳を傾けようとしません。

しかし調停離婚の場合、調停委員という人が当事者にそれぞれ聞き取りをおこなうので、モラハラ夫と直接話す必要がないのです。

もしも調停離婚で離婚が成立しなかった場合、家庭裁判所で争うことになりますが、モラハラ夫と2人きりで会話をしても話がまとまる余地がないのであれば、なるべく早く調停で話し合う方がいいでしょう。

養育費や財産分与の取り決めができる

モラハラ夫との離婚

また、調停離婚では、離婚に関する話だけでなく、財産分与や養育費についてもお互いの意向を聞き取ってもらえます。

モラハラ夫は外面が良いという特徴がありますから、離婚や財産分与の話は第三者を介して行うことをおすすめします。

「もっと早く離婚すればよかった」の声も多い、モラ夫との離婚

最後に、実際にモラハラ夫と離婚した女性が、離婚後、どう思っているのか体験談をお寄せいただきました。
これからモラハラ夫との離婚を考えている方は、この体験談を参考に、今後自分がどうしたいのかを検討してみてください。

モラハラ夫との離婚体験談1

8年間連れ添った夫のモラハラが原因で、32歳のときに離婚しました。結婚5年目でようやく赤ちゃんを授かったのですが、妊娠をきっかけに専業主婦となったことで、夫のモラハラが始まりました。最初は子供ができるし、私も育児で働けなくなるので、その責任感でイライラしているのかなと思っていたのですが、徐々にエスカレートしていきました。子供が生まれると夜泣きのたびに「母親のくせに泣き止ませれないのか!?」と怒鳴ったり、「誰の金で生活しているんだ」と嫌味をいったり…。

幸いにも実家が近かったので、まだ赤ちゃんだった娘を抱いて、そのまま実家へ駆け込み別居しました。

なかなか離婚に応じてくれない期間が1年続き、ようやく調停離婚ができました。

ただ、最初から調停離婚を考えていれば、もうちょっと早く離婚できたのになと思っています。(34歳女性)

 

モラハラ夫との離婚体験談2

私がモラハラ夫との離婚に踏み切ったのは、子供が8ヶ月の頃です。職場復帰の予定もあったのですが、保育園の受け入れ先が見つからず…。そのときから夫に「どうして保育園に入れないんだ」「俺の金で生活しているくせに」「職場復帰すらできないのか」と保育園探しと職場復帰が難航している私に対して指摘が増えてきました。
ついには生活費も自分で管理すると言い出し、私の育休手当が入る口座まで管理し始めたのです。ここまでくるとモラハラというか経済的DVのように感じました。
もちろん何度も話し合いを持ちかけたり、離婚の話もしたりしましたが、聞く耳を持ってくれず…。
独身時代に購入していてた投資信託を売り払って別居用の賃貸を借りました。もちろん別居中も話にならなかったので、調停離婚です。あんなに話が進まなかったのに、調停離婚では第三者がいるからか?すんなり離婚に応じてくれました。
夫は私よりも収入がよかったので、金銭面は前より苦しいですが、ビクビク怯える毎日から脱出できて、本当によかったです。(32歳女性)

まとめ

モラハラ夫との離婚して、本当に大丈夫なのだろうかと頭を悩ます女性はたくさんいます。しかし、今自分が置かれている状況を客観的に認識して、モラハラ被害を受けていることを自覚し、離婚後の生活を予測して備えておくだけで、後悔するリスクは格段に減少するのです。

モラハラ夫と離れたいがあまり、離婚後の生活を具体的にイメージできていない方もいらっしゃるでしょうが、現実的な視点を忘れず、冷静に準備していきましょう。