モラハラ夫が離婚してくれず、辛い日々を送っていませんか?
言葉や態度で被害者を傷つけるモラハラだからこそ、簡単に離婚を納得してくれないですよね…。しかし、だからといってモラハラ夫との離婚を諦める必要はありません。
モラハラ夫が離婚に応じてくれなくても、離婚するために出来ることがあるのです。
この記事ではモラハラ夫が離婚してくれないとき、モラハラ被害者であるあなたに出来る対処法を6つ紹介します。
モラハラ夫に悩まされ、心を痛めつけられる日々から脱出するためにも、この記事を参考に離婚へと具体的に歩み出してみませんか?
目次
離婚してくれないモラハラ夫の心理とは?
モラハラ夫は、被害者の人格を否定しますよね。「お前なんか無能だ…」「誰が養っていると思っているんだ!?」など、言葉であなたを否定するものの、いざ離婚を切り出すと聞く耳すら立ててくれないことがあるでしょう。
どうして相手を否定し続けるのに、モラハラ夫は離婚に応じてくれないのでしょうか?
その理由はモラハラをする心理に隠されています。
実はモラハラ加害者は、被害者を冒涜することで、自己肯定感を保っているのです。
特定の相手に強く見せたり、傷つけたりすることで、自信のなさをカバーしているからこそ、心の中では被害者と「離れたくない」と思っています。
モラハラ被害者は、離婚に応じないモラハラ加害者を見て「離婚をしたくないということは、私を必要としているんじゃ…」と情が湧くかもしれませんね。
しかし、あなたが情に深く、優しい性格だからこそ、モラハラのターゲットとされていると考えましょう。
もちろん、愛情の形は人それぞれですから、離婚しないという選択肢もあります。
けれど、ご自身が本当にお辛い毎日を送っていて、どうしても離れたいという気持ちが強いなら、「モラハラは病気だ」と割り切って、離婚準備を始めましょう。
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モラハラ夫が離婚してくれないときの対処法6つ
では、モラハラ夫が離婚してくれないとき、どんな対処法を行えばいいのでしょうか?
今回ご紹介する対処法は以下6つです。
- モラハラ加害者と被害者の心理を把握
- モラハラされた記録をとっておく
- 実家への支援を頼む
- 別居の準備を行う
- 第三者を交えて話し合う
- 調停離婚を申し立てる
それぞれの対処法を具体的に解説していきます。
①モラハラ加害者と被害者の心理を客観的に把握
上述でもお伝えしましたが、モラハラは一種の病気です。しかし、いくらモラハラで傷つけられたからといって、愛し合って結婚した相手ですから「本当に離婚してもいいのだろうか…?」と不安にもなりますよね。
だからこそ、離婚準備を始める前に、モラハラ加害者と被害者の心理を客観的に把握しましょう。
モラハラ加害者とモラハラ被害者は「共依存」という状態に陥っているケースが多いです。
共依存とは
自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態を指す。
引用:Wikipedia
つまり、モラハラ加害者は被害者を攻撃することに依存しており、被害者は加害者を許してあげることに依存していて、お互いがそのサイクルから抜け出せない状態になっているのです。
周りから「そんなことをされるのはおかしい」「離れた方がいいんじゃないか?」と言われても、「私がついていてあげなくちゃ」と思ってしまうことはありませんか?
しかし、客観的にあなたと配偶者の関係を見てみると、違和感を抱かないでしょうか?
まずは夫婦がどんな状態にあるのか客観視してみましょう。
そうすれば、感情に惑わされることなく、スムーズに離婚準備を始められます。
②モラハラされた記録をとっておく
モラハラ夫は「外面がいい」という特徴があります。
たとえば被害者が第三者にモラハラ被害を相談しても、家庭外での印象は「優しい人」だったりするので、「あの人がそんなことをするわけない!」と思われてしまうこともあるでしょう。
またモラハラ夫との離婚が成立しない場合、調停や裁判に進む可能性があります。
DVなどであれば殴られたり、物を壊されたりした記録を提出すれば、被害を証明できますが、モラハラの場合、態度や言葉で攻撃してくるので、「モラハラ被害にあった証拠」を集めるのが困難です。
だからこそ、モラハラ夫と別居する前に、事前にモラハラをされた記録を集めておきましょう。
- モラハラされた日付・内容を日記につける
- モラハラをされている動画・音声を残す
- モノを壊した際の写真
このように、いつ・どこで・どんな状況でモラハラをされたのか、第三者から見て具体的にわかるような記録を残してください。
③実家への支援を頼む
離婚に応じてくれないモラハラ夫と離婚するためには「別居」の事実を作ることをおすすめします。離婚はお互いが納得した場合、離婚届を提出すれば離婚が成立しますが、一筋縄ではいかないのがモラハラ夫です。
調停離婚や裁判へと進んだ際、別居の事実こそ婚姻関係が破綻している証拠となり、離婚が認められやすくなります。
また、離婚は精神的にも体力的にもパワーが必要です。モラハラ夫に心を痛めつけられながら、離婚準備を進めると考えただけでどっと疲れてしまいませんか?
あなたの心、家族の心を守りながら離婚準備を進めるためにも、実家へ支援をお願いできる場合は、一時的に実家へ避難するよう検討しましょう。
④別居の準備を行う
実家への一時避難が頼れない場合は、まず別居の準備を行いましょう。別居をするとなると、別居費用だけでなく、子供の学校や勤め先をどうするかという問題も浮上します。
専業主婦さんの場合は仕事探しから始めなければなりません。
別居の準備については、こちらの記事で解説しています。別居をスムーズに進めるために参考にしてください。
⑤第三者を交えて話し合う
モラハラ加害者は被害者と2人だけの空間になると独特な態度で被害者を威圧してきます。被害者の要望を鋭い言葉で否定したり、言いくるめられたりする危険性もあるでしょう。
しかし、モラハラ夫には「外面がいい」という特徴があります。この特徴を逆手にとって、モラハラ夫と話し合いをする際は第三者を交えて話し合いをしましょう。
第三者を交えた話し合いが難しい場合は、周りの目があるカフェなどで離婚話をする方が安全です。
あなたのモラハラ被害を理解してくれていて、協力できる味方を1人でも作っておくことが、モラハラ夫との離婚を成立する鍵となります。
周りに相談しにくい話題ではありますが、モラハラ夫と離婚するためにも、協力者を見つけておきましょう。
⑥調停離婚を申し立てる
もしもモラハラ夫との話し合いで離婚が成立しない場合、調停離婚を申し立てることになります。
調停離婚とは話し合いの末に、お互いが離婚について合意できないとき、または相手と話し合いにならないとき、調停委員を設けて離婚について調停で話し合うことです。
離婚したい理由や、財産分与、離婚の条件をそれぞれにヒアリングして、調停委員を介して意見を伝え合うことができます。
モラハラ夫との離婚は調停離婚になる可能性が高い
残念ながら、モラハラ夫との離婚は、調停離婚を申し立てる可能性が高いです。なぜならモラハラ夫はあなたを否定し、見下すような態度をしているので、夫婦間の話し合いでは離婚に納得できないでしょう。
しかし、逆をいえば、モラハラ夫だからこそ調停離婚の方がスムーズに進む可能性もあります。調停では調停員がお互いの意見を聞いて、間接的に自分の意見を相手に伝えることができるからです。
もしも離婚を急ぐのであれば、早い段階で調停離婚の申し立てを検討しておきましょう。
調停離婚で注意すべき点は?
モラハラ夫との調停離婚で注意するべき点は、調停員がモラハラ夫の演技に騙されてしまう可能性があることです。
モラハラは夫婦間でひっそりと起きるトラブルですから、第三者に被害の状況が伝わりにくいのです。モラハラ夫だからこそ、言葉を巧みに屈指して、どうにか自分が不利にならないよう、調停員に振る舞うかもしれませんよね…。
こんなときに有効となるのが、モラハラ被害にあった証拠です。証拠を元に調停員にしっかり自分の意見を伝えてください。
もしもモラハラ夫の肩を持っているような素振りが見られても、あなたの気持ちと意思を見失わないように調停離婚へと臨みましょう。
調停離婚で離婚成立しない場合は裁判になる
調停でも離婚に合意が得られなかった場合、離婚裁判へ進みます。離婚裁判に進むケースは極めて稀ですが、調停が長引いきお互いが納得できないなら、離婚裁判の訴えを起こします。
調停を経て、離婚調停不成立書の提出を行えば離婚裁判の申し立てが可能となります。
弁護士に相談する費用がかかる
離婚裁判へ進むと弁護士へ依頼する費用がかかるので、金銭的な負担が大きくなります。もしも、弁護士費用を支払う余裕がない場合は、日本司法支援センター「法テラス」の代理援助制度を利用しましょう。
代理援助制度を利用すると、弁護士費用を法テラスが一時的に建て替えてくれます。
建て替え費用の限度額については、家族構成や収入によって変動するので、費用にご不安がある方は法テラスで相談してみましょう。
裁判の判決に従わないといけない
離婚裁判は下された判決に従わなければなりません。たとえば、「離婚したい」という主張が通らなかった場合、モラハラ夫と婚姻関係を続けることになります。
精神的にも金銭的にも負担が大きい離婚裁判で自身が望む判決が下されるためにも、モラハラ被害を受けていた証拠をしっかり確保しておきたいところです。
逆をいえば、証拠をたくさん持っていると、裁判に有利になれます。
また、モラハラ夫との離婚に強い弁護士に依頼するのも一つの手段です。
モラハラ夫との離婚成立のために、重要なこと
離婚に応じてくれないモラハラ夫と、離婚が成立するまでの道のりが遠く感じているかもしれませんね。
モラハラ夫と本当に離婚ができるのだろうか?という不安もあれば、離婚したあとの生活に対する不安もあるでしょう。また、離婚に至るまでの話し合いのなかで「離婚したら後悔してしまうかも…」と心が揺らぐ瞬間があると思います。
しかし、モラハラ夫と本当に離婚を成立させたいなら、自分の決心が揺るがない状態を作りましょう。
もちろん、話し合いの中でモラハラ夫が心を入れ替えて、夫婦関係を再構築できる可能性もゼロではありません。
けれどモラハラ加害者のモラハラ行為は人格的な部分も関係しているので、心を入れ替えることを期待しすぎるのもおすすめできないのです。
夫婦だからこそ、「もう一度頑張ってみようかな」「いつか変わってくれるかもしれない」と思いたいところですが、モラハラ夫の場合、変化を待っている間に被害者の精神面が崩壊してしまう危険性が高いといえます。
モラハラ夫との離婚を成立させるためには、情に惑わせられないためにも、物理的距離を保ちながら、別居・調停などの手段を使って具体的にステップを踏んでいく必要があるのです。
こちらの記事では、モラハラ夫の被害に悩んだ際、第三者に相談する本当の意味について解説しています。なかなか離婚の決心がつかない場合、この記事を参考に第三者への相談を検討してみましょう。
まとめ
新型コロナウイルスの影響もあり、家族との時間が増えたことで「コロナ離婚」が急増しています。家族だけの空間になりがちな昨今だからこそ、外からはわかりにくいモラハラやDV被害が増加しているのも事実です。
「結婚したのに、離婚するなんて…」と言われることもあるかもしれませんが、我慢が美徳とは限りません。
あなたが本当はどうしたいのか?それを第一にしたとき、離婚という2文字が浮かぶなら、今回ご紹介したステップを参考にして何から始めるべきなのか考えてみてくださいね。