「さくら幸子お悩み解決!!」第三弾は、夫が既婚者と不倫をしている…いわゆる「W不倫」についてのお悩みです。
今回は浮気相手が既婚者なだけでなく、面識のあるご近所さんであることから、Ｗ不倫のなかでも対応が難しいケースといえるでしょう。不倫当事者の心理や離婚・慰謝料請求に向けての対処法についてアドバイスしています。
さくら幸子探偵事務所：さくら幸子（橋本登代子）
1976年に札幌テレビ放送にアナウンサーとして入社。 1988年退社後はフリーアナウンサーとして活動。 現在、有限会社ボイスオブサッポロの代表取締役社長で、北海道に関わる各種シンポジウム、フォーラムの司会やコーディネーターを務める。 愛称はトンちゃん。 2010年、自身出演の番組を書籍化した「TONちゃんのほっかいどう大好き」を刊行。
さくら幸子探偵事務所：姉崎一美
1959年生まれ。東京・札幌を拠点にアパレル・美容業界を経て、パーソナルカウンセリングの重要性を追求、構築する。 後に興信・探偵業でさらに深く悩める人の心に触れ、人生に寄り添うアドバイスが評価され相談件数はこの10年で1万件以上。 数多くの契約クライアントを持つ。 気さくな人柄で各種講演、テレビ、ラジオに多数出演。
セックスレスは珍しくない
さくら（橋本） 今回、Tomokoさんからいただいたお悩みは次のとおりです。
相談者：Tomokoさん こんにちは、私は専業主婦をしています。高校生の娘と、大学生の息子がいます。
先日、夫の部屋を掃除していたところ、女性からの手紙が何枚も出てきました。 「もっと早くに出会えていたら」とか「すべて捨ててあなたのもとに行きたい」など、 読むのも恥ずかしい文章が綴られていました。
その女性は近所に住む家庭もある既婚者で、私も会ったことがあります。 夫とは一回り以上も年下でした。
本音を言えば、離婚して夫にも相手にも慰謝料請求したいのですが、これまでの近所づきあ いや子供のこともあり、表ざたにしたくない気持ちもあります。
そうはいっても、このまま不倫は続けて欲しくなく、気持ちが悪いです。 これから、どの様にすればよいでしょうか？
姉崎 W不倫は2つの家庭が崩壊する可能性があるほど、通常の不倫問題と比べてもかなり厄介なケースです。片方だけが既婚者の場合でも、家族や周囲が受けるダメージは大きいもの。ところがW不倫となると、相手女性側の家庭も崩れる可能性があり、関わる人の数が倍増します。たとえばお互いに子どもがいれば、さらに多くの人が傷つくことになりますよね。
W不倫の特徴は当事者が錯覚して盛り上がる
さくら 今回はご主人が50代、そして相手女性はひと回り下とのこと。しかも露骨な手紙を送ってくるほどアプローチが強いようです。Tomokoさんが読んでいて「気持ち悪い」と感じてしまうぐらい赤裸々な内容とのことですね。
姉崎 W不倫においては、当事者同士が刺激を求めていて、互いの配偶者の悪口を言い合いながら「自分は認められているんだ」「相手に求められているんだ」と錯覚的に盛り上がることがあります。ただ、ラブレターのような形でその想いをストレートに表現してしまうと、周りから見ると「なぜこの人はここまで？」と引いてしまうような内容になることもしばしば。Tomokoさんも相手女性の熱意が強すぎて、気持ち悪さを感じてしまうのだと思います。
さくら しかも今回は近所同士ということもあって、Tomokoさんは、事を荒立てたくないという気持ちがあるそうです。引っ越しをしたいぐらいの思いはあっても、現実問題としてそう簡単ではないですし……。
まずは情報収集と冷静な作戦立案
さくら では、こういったW不倫にお悩みの方に対して、探偵事務所としてはどのようなサポートができるのでしょうか？
姉崎 当事者が一番に考えるべきなのは証拠をきちんと押さえておくということです。W不倫の場合、お互いの配偶者が慰謝料の請求をする権利を持っている。つまり、こちらが「慰謝料を請求したい」と思えば、同時に相手方のご主人もこちらのご主人に対して請求できる可能性があるということです。
さくら じゃあ、どうやって対処すればいいのでしょうか？
姉崎 大切なのは、相手側の家庭の事情を知ること。探偵事務所では、相手方女性のご主人がどんな社会的地位にあるか、どういう家族構成なのかなどを調べることが可能です。もし相手方女性のご主人が社会的に高い地位にあれば、相手方は「不倫を公にされたくない」と強く思うでしょう。そうした背景を把握することで、解決策の選択肢が広がるわけです。
さくら 具体的にはどのような解決策が考えられますか？
姉崎 相手方女性やご主人が社会的信用を失いたくないという立場にある場合、不倫の事実を知られたくない気持ちが強く働く可能性があります。すると、相手側が譲歩してくれる展開にもっていきやすくなるんですね。
今回Tomokoさんが本当に望んでいるのは「不倫相手ときっぱり別れてほしい」であって、お金が欲しいわけではないかもしれません。ですが、慰謝料という形をとることで、相手に「自分は悪かった」という責任を負わせることができます。一円でもお金を受け取ると、法律上、相手は非を認めたことになるからです。そこが大きいポイントですね。
慰謝料請求の順番を間違えない
さくら W不倫で慰謝料請求を行う際、特に気をつけるべき点は何でしょうか？
姉崎 一番注意したいのは、相手の配偶者に先にバラしてしまうことです。たとえば「こんなにひどいことをしているから、相手の旦那さんに全部伝えてやる！」と感情的になってしまう奥様もいます。ところが、それをやってしまうと相手のご主人が「あなたのご主人を訴える」と動き出すリスクが一気に高くなります。
W不倫喧嘩両成敗の側面があるので、下手に相手を追い詰めすぎると、こちらも同じように痛手を負う可能性が高くなるんです。だからこそ、探偵の力を借りて証拠を押さえつつ、相手の背景や弱みを把握したうえで交渉の落としどころを見極めることが大切です。