探偵学校とはどんな所?費用・就学期間・学び方と入る前に知っておきたい注意点

探偵になりたい!と思っていても、そもそも何から始めればいいのか?どんなスキルを身につけなければいけないのか?なかなかイメージがわきませんよね。またどんなに憧れを抱いている仕事でも、いきなり未知の世界に飛び込むのは、誰でも不安を感じてしまうもの。

そこでこの記事では、「探偵」になる夢に近づく探偵学校について、「探偵学校ってどんなところなの?」「どれくらいの費用がかかるの?」「探偵になるには、探偵学校に行かなきゃいけないの?」など、あまり知られていない探偵学校について詳しく解説していきます。

憧れの仕事に就きたい!自分で探偵事務所を開くのが夢!という人は、ぜひこの記事を通して探偵学校についてしっかり知っていきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 探偵学校とは?実際にどんなところなの?
  • 探偵学校に入学するメリット・デメリット
  • 探偵学校に入学する前に知っておきたい注意点

探偵学校とは、実際にどんなところなの?

探偵学校とは、探偵事務所に就職を目指す人や、探偵事務所を開業したい人が、専門的な技術や知識を学ぶための専門学校です。

具体的なカリキュラムとしては、

  • 探偵業法及び法令関係の知識習得
  • 尾行・張り込みなどの講座
  • 撮影技術についての講義と実技
  • 尾行・張り込みの実技訓練
  • 調査報告書の制作の仕方
  • 公募資料の見方
  • 盗聴器発見の調査実習

など、法令関係などの座学から、探偵業務の要である尾行・張り込みの実技訓練まで、実地で使える様々な知識や技術の習得を目指します。

主に探偵学校を開校しているのは、実際の探偵事務所の場合が多いため、講師は現役の探偵が務めることも多く、より実践的な内容を学べるのが大きなメリットといえます。

ただし専門学校とは行っても、探偵学校は国に定められた認可校ではないため、年間授業時間の規定はなく、内容は運営している学校に全て委ねられています。このため学校ごとにカリキュラムや費用が大きく違うため、自分の学びたいことを吸収するためにはどこで学ぶかが非常に重要です。

探偵学校の費用・就学期間・学び方

それではまずは、探偵学校の費用や就学期間など、基本的なシステムを知っていきましょう。

探偵学校の費用と就学期間

探偵学校の費用は、学校によって就学期間もカリキュラムも様々なので一概に比べることはできません。

ただ実際に探偵学校に入学を考えている場合は、やはり金額は気になるもの。そこでここでは、一般的な「スタンダード(基礎)」クラスの費用を比べてみましょう。

  • A探偵学校・・・受講料275,000円、48時間(毎週2日通学で約1ヶ月)
  • B探偵学校・・・受講料253,000円、14単位(全日程8日間)
  • C探偵学校・・・受講料180,000円、5日間

こうして比べてみると、スタンダードなコースでは約20万程度で約8日間程度の就学期間が一定のラインとみることができます。ただこの約8日間を一度に受講することはなく、週に1回~2回を1ヶ月~2ヵ月程度かけて受講するのが一般的です。

またもっと専門的なコースになれば、その分費用が上がり、例えば自分で探偵事務所を経営することを目的としているコースなどでは、受講料は100万以上で受講期間は半年程度かかる場合があります。

探偵学校の学び方

探偵学校では主に、通学制と通信制の2つの学び方があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分のスタイルに合った学び方を選択しましょう。

通学制

  • メリット・・・疑問点はすぐに質問ができる。実際に現場で活躍する探偵から直接指導を受けることができる。同じ志を持つメンバーと話す機会が生まれる。
  • デメリット・・・通信制よりも費用が高い。通学できる範囲に学校がない場合は通うことができない。

探偵学校の通学制では、直接学校に通い授業を受けたり、実技の講習を受けることで学習を進めていきます。

メリットとしては、講義を受ける中で生じた疑問を、直接現役の探偵である講師に聞く機会に恵まれていたり、同じ志を持つ生徒たちと出会える機会が生まれます。

また学校によっては、週に1回~2回など決まった期間を通学することになるので、生活や学習のリズムを付けやすいといった効果も期待できます。

通信制

  • メリット・・・通学制よりも費用を抑えることができる。通学できる範囲に学校がなかったり、地方でも通いたい学校で学ぶことができる。好きな時間に学習に取り組むことができる。
  • デメリット・・・あくまで自分主体で学習を進めなくてはいけないため、サボると置いていかれやすい。実技のスクーリングだけでは通学生に比べて、リアルな探偵との接点が少ない。

通信制の学校の場合は、座学で学ぶ部分を通信制で行い、実技に関してはスクーリング授業を行うのが一般的な方法です。

学び方としてはネット環境を使い自宅で学習を進め、定期的にレポート提出を行い、添削をしてもらいながら学習を進めていきます。ただ添削を行ってもらえるとしても、通学に比べて強制力が弱いため、好きな時間に学べる点はメリットになる反面、やる気に左右されやすいというデメリットもあります。


こうして費用・就学期間・学び方を見ていくと、一口に探偵学校と言っても様々な選択肢があることがわかります。基本的なことを知ったうえで、自分の目指す場所にたどり着くにはどんな方法がベストかを考えるようにしましょう。

探偵学校に通うメリット・デメリット

費用を見てみると、決して安いとは言えない探偵学校ですが、それでは探偵学校に通うメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

メリット

まずは、探偵学校に通う4つのメリットを見ていきましょう。

探偵業務の基礎を学ぶことができる

探偵学校の最も大きなメリットは、他ではなかなか学ぶことのできない「探偵」という特殊な仕事の知識や技術を習得できる点です。

具体的に、張り込みや尾行の技術は、探偵学校以外の専門学校で教えてくれるところはなく、こうした技術を1から学びたいと考えている場合は、必然的に探偵学校で学ぶこととなります。

また実技である張り込みや尾行以外にも、探偵になるには押さえておかなければいけない「探偵業法」についてもきちんと解説し、学ぶことができるため学校に行くだけで探偵としての基礎を養うことができます。

探偵事務所への入社が有利になる

探偵事務所に就職を希望している場合は、こうした知識を自ら率先して身に着け、探偵学校を卒業していることは、探偵事務所に入社するにあたって大きなアピールポイントになります。

探偵事務所の求人は、多くの場合「運転免許必須、ただし初心者歓迎、経験者優遇」などと記載されていることが多く、初心者でも入社することはできますが、この際に実務経験はなくても知識や技術の基礎があることは、初心者の就職希望者と一線を画すことができます。

探偵学校が運営している事務所への就職が優遇される

多くの探偵学校は、探偵事務所が開業していることが多く、このため探偵学校を卒業すると、その学校が運営している探偵事務所への就職が優遇される場合があります。

大手の探偵事務所の場合は、全国に支社を持っていることもあるため、希望すれば自分の住んでいる地域や働きたい地域での採用を望むこともできます。

探偵の仕事を実際に感じることができる

探偵学校に通う最後のメリットは、学校を通してあなた自身が「探偵」という仕事を体験できるという点です。

探偵というとドラマや漫画の世界では、華麗に事件を解決し、みんなに尊敬の目を向けられるような華やかなイメージですが、実際の探偵の仕事は地道な作業の積み重ねです。

また普通の生活をしていれば、尾行や張り込みといった経験をすることもなく、実際にこうした経験をしてみると「思っていたのと違った…」「こういう仕事は、もしかしたら自分には合わないかもしれない…」と理想と現実の違いを知ることにもつながります。

このためポジティブなメリットではありませんが、自分の将来のためにも実際に仕事を始める前に、「探偵」という仕事の適性を知ることができるのもポイントの一つです。

デメリット

メリットの次は、探偵学校に通うなら知っておきたいデメリットの部分も確認しておきましょう。

就学時間に比べて費用が高額になっている

探偵学校の一番の難点は、学習時間に比べて費用が高額になりやすい点です。

一般的に国に認可されている専門学校の費用は、年間800時間以上(夜間の場合は450時間以上)と定められ、3年間で約220万円程度が平均となっていますが、探偵学校の場合は無認可の専門学校となるため授業数に特に決まりはなく、8日間で27万円、1ヶ月週2日通学で25万など、期間が短い割には費用が高額になっています。

また上記の金額はスタンダートクラスの金額のため、独立開業を目指すプランなどの場合は、最低金額が100万以上などさらに金額が高額になります。

探偵学校については認可校はないため、自分の学びたいことと費用面のつり合いが取れるかを考えましょう。

プランによっては、実地で使える技術までは学べない

実際に受講してみて、「もっと専門的なプランにするべきだった」「もっとしっかり学びたかった」という感想が出てしまうのも、デメリットの一つです。

そもそも探偵学校に入る段階では、多くの人がいくら調べたとしても「自分の目指すことには、どのコースが適しているのか?」「自分の夢のためには、どれを選べばいいのか?」という点を明確にすることは難しくなっています。

このため実際の想像と、現実のギャップを生まないためにも、受講前にしっかりと

  • 自分はなぜ探偵学校に入ろうと思っているのか
  • 探偵学校でどんな知識を身に着けたいのか?
  • 探偵学校を卒業したら、どんな進路を考えているのか?

の3点をしっかり振り返り、プランや通う探偵学校を比較するだけでなく、実際に資料なども取り寄せ、納得してから入学するかを決めましょう。


こうして探偵学校のメリット・デメリットを見ていくと、「探偵」という仕事に興味がある人にとって、「就職の斡旋」「仕事の体験」「適性の判断」など、探偵学校は様々な役割を果たしていることがわかります。デメリットを見ていき、許容できるのであれば探偵学校は、「探偵になりたい!」と考える人にとって、通学する意味のある学校ということができるでしょう。

探偵学校に入る前の注意点

探偵学校の具体的な学び方や費用、またメリット・デメリットがわかったところで、最後は探偵学校に入学する前に知っておきたい注意点をしっかり確認していきましょう。

入りたい探偵事務所がある場合はその系列を選ぶ

もし就職したい探偵事務所がある場合は、必ずその系列の探偵学校で学べないかを考えてみましょう。

メリットでも紹介したように探偵学校は多くの場合、母体として探偵事務所を運営しており、卒業後希望する場合は、そのままその探偵事務所や系列の事務所への就職が優遇される場合があります。

探偵学校は様々な学校がありますが、まずは自分の就職したい事務所が学校を開いていないかを確認してから、入学する学校を決定しましょう。

安さを求めるのではなく、具体的なカリキュラムや支援を確認する

探偵学校に入り、しっかり知識や技術を学びたい場合は、必ず安さで選ぶのではなく、具体的なカリキュラムや卒業後の支援がどうなっているかを確認しましょう。

多くの探偵学校が取り入れているスタンダート(基礎)プランは、学校によっては調査員育成のものではなく、探偵という仕事を体験するためのお試しプランになっているものもあり、カリキュラムによっては実戦では使えない場合もあります。

金額面がいくらお得でも、職業として「探偵」を目指しているなら、実戦で使える知識や技術でなければ、時間もお金も無駄になってしまいます。また卒業後の支援についても、「卒業生は自社での就職を優遇」としていたとしても、支援対象は「プロコース以上」「オーナーコース以上」となっている場合もあるため、この点も事前に必ず確認しておきましょう。

もしどのコースを選択するか迷った場合は、探偵学校の中には、こうしたプランについて無料で相談に乗ってくれる学校もあるため、資料請求だけでなく、こうした問い合わせも積極的に活用していきましょう。

探偵学校に無料で相談してみる


注意点を見ていくと、メリット・デメリットと被る部分も多くなっていますが、その分その点をしっかりと受け止める必要があると考えておきましょう。費用と時間をかけるのであれば、その分リターンを求めるのは当然の権利です。後悔する選択をしないためにも、入学する前に上記の点はしっかり押さえておきましょう。

探偵になるためには「探偵学校」に通った方がよいのか?

探偵学校は、探偵になるために必ず通わなければならない場所ではありません。ただ探偵という仕事の特殊性から、自分だけで学ぶことは難しく、そのため探偵の専門学校でしか学べないことが多くあるのも事実です。

こうしたことから、探偵学校に通うか悩んでいる場合は、自分の中で「探偵」という仕事に就く意気込みがどれくらいあるのか?全く未経験で就職する勇気や自信はあるのか?を自分に問いかけてみましょう。

「絶対に探偵の仕事に就きたい!」と強く願っており、手堅くいきたい場合は探偵学校に通い、知識の習得や就職するのに有利な状態を作りましょう。逆に未経験でも飛び込んでみる度胸と自信がある場合は、いきなり探偵という仕事に飛び込んでみてもいいかもしれません。

探偵学校はあくまで、あなた自身の将来を有利にする一つの手段でしかありません。だからこそ、通うか通わないかはメリット・デメリット・注意点をよく検討し、あなた自身が決定しましょう。

まとめ

探偵という仕事はその特殊性から、自分一人だけで知識やスキルを身に着けることは難しい仕事です。

だからこそ、「絶対に探偵になりたい!」と思っている場合は、探偵学校に入学し、仕事を始める前に探偵としての知識をつけたり、実際の業務を体験することは大きな意味があります。

探偵になるために、探偵学校への通学は必須ではありませんが「本気で探偵になりたい!」「入りたい探偵事務所がある!」といった場合は、夢に近づくための一つの手段として、探偵学校への入学を検討してみましょう。