別居婚に向いている夫婦とは?ライフステージ別にメリット・デメリットも解説!

別居婚に向いている夫婦

家族の在り方も多様化している現代。夫婦別姓や事実婚を選択する人も増えてきました。
そんな新しい家族のカタチとして「別居婚」が密かに注目されています。

別居婚とは夫婦でありながらそれぞれの住まいを持ち、別居状態で結婚生活を続けるものです。離婚を前提として別居をしているのではなく、夫婦関係を良好に保つため、お互いが納得して意図的に別居をしている夫婦が増えています。

この記事では、別居婚に向いている夫婦の特徴と、ライフステージに合わせた別居婚のメリット・デメリットを解説します。

別居婚に向いている夫婦の特徴は?

「結婚しているのに、なんでわざわざ別居婚を…!?」と感じる方もいるでしょう。
しかし、別居婚を意図的に選択する夫婦は、「別居婚」だからこそ夫婦の絆を深められたり、自分たちの人生を尊重できたりすると口にします。

では、別居婚に向いている夫婦にはどんな特徴があるのでしょうか?

  • 信頼している
  • 経済能力と家事能力がある
  • 世間体や常識を気にしない
  • 家事能力がある

それぞれの項目を詳しく解説していきましょう。

信頼している

別居婚は、お互いがお互いを信頼していないと成り立ちません。

別居婚だからこそ、好きな仕事に没頭できたり、友人との時間も大切にできたりと「自由に生活できる」メリットがありますが、この自由さこそ、別居婚において危険視される部分でもあるのです。同居していないからこそ、「本当に金銭管理ができるのだろうか…?」「浮気などしないだろうか…?」といった不安も出てきます。

別居婚で夫婦関係を良好に保つためには、こういった「不安」に対して、お互いが「大丈夫!」と信頼できなければなりません。

経済能力と家事能力がある

別居婚は結婚特有の「縛られた感覚」がないものの、夫も妻も違う家で生活するわけですから、それぞれの家賃・光熱費・食費を負担できる経済能力と、掃除や洗濯といった日常的な家事をこなせる力を持っていなければなりません。

一般的な夫婦であれば、家事と仕事の負担を分け合うことができますが、別居婚の場合はお互いがどちらもの能力を持っていないと難しいです。

妻も夫も、経済能力・家事能力があるご夫婦は別居婚に向いているといえます。

世間体や常識を気にしない

日本では、別居と聞くとネガティブなイメージを抱く方が多いです。「別居しているなんて、離婚危機なのでは…?」「本当は夫婦仲が悪いのでは?」など、別居婚をしている事実に対して、よからぬ憶測を生む可能性もあります。

夫婦間で納得して別居婚を選択していても、周囲から理解されなかったり、誤解されたりすることもあるので、世間体や常識や周りからの目を気にしない夫婦でないと別居婚は難しいでしょう。

別居婚のメリット・デメリットはこれ。

別居婚のメリットとデメリット

では、別居婚にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

ご夫婦の年齢であったり、お子さんの有無によってメリット・デメリットは異なってきますが、まずはじめに別居婚全体を通していえる点について解説していきましょう。

別居婚のメリット

別居婚のメリットは大きく4つあります。

  • 自分の時間を大切にできる
  • 価値観の違いを感じにくい
  • 仕事や友人関係を大切にできる
  • 新鮮な気持ちでいられる

このメリットについてお話していきましょう。

自分の時間を大切にできる

別居婚は、相手の生活リズムを気にすることなく、1人の時間を大切にできる点が大きなメリットでしょう。

仕事に打ち込みたいからなどの理由で別居婚をするご夫婦も増えてきています。

価値観の違いを感じにくい

どんなに愛し合っていても、価値観の違いは生じるものです。とくに同居していると小さな生活習慣に対して違和感を抱くことがあります。

たとえば、洗い物はすぐにする、まとめてするだとか、買い置きをする、しないだとか…。同居の場合、些細な生活の価値観のズレを見つけてしまいやすいものです。
しかし、別居婚の場合は一緒に生活しないことで、ちょっとした価値観の違いを感じにくいと言えます。

別居婚のデメリット

別居婚は大きなメリットを感じる一方で、デメリットも大きいです。別居婚における主なデメリットは以下の4つ。

  • 離婚につながるリスクが高い
  • 金銭面の負担が大きい
  • 不倫や浮気のリスクが高い
  • 周囲や子供から理解されにくい

別居婚による、それぞれのデメリットを合わせて解説していきます。

離婚につながるリスクが高い

別居が直接離婚に繋がるとは言い切れませんが、実際に離婚を前提に別居したご夫婦は離婚する確率が高いと言われています。

厚生労働省が発表するデータによると、別居期間が1年未満で離婚した割合は82.5%となっていることがわかるでしょう。
なお、このデータの場合、離婚を前提として別居をしているご夫婦が中心となっているので、お互いが同意して別居婚をしているのであれば、問題視すべき点でもありません。

しかし、離れて暮らしているからこそ、些細な喧嘩で夫婦の溝が深まったり、お互いの存在意義がわからなくなったりして、離婚へ繋がる夫婦もいらっしゃいます。
また、別居している事実があるため、もしも離婚問題へ発展しても離婚調停で離婚を認められやすくなるリスクも考慮しておきましょう。

前述で紹介したように、別居婚に向いているご夫婦であれば、逆に別居婚であるからこそ婚姻関係が長く続く可能性もゼロではありません。

金銭面の負担が大きい

別居婚は金銭的な問題も

別居婚を維持するためには、金銭的な負担が大きいのも事実です。夫婦が別々の住まいを持つことで、家賃・光熱費・食費と生活費が増えていきますよね…。

金銭面の負担に勝るメリットを夫婦間で見いだせるのであれば、別居婚が成立しますが、お互いにとって金銭面の負担を感じるようであれば、別居婚で夫婦仲に亀裂が入る可能性もあるでしょう。

不倫や浮気のリスクが高い

別居婚は自由な時間があるからこそ、不倫や浮気のリスクも高くなります。もちろん、最初は夫も妻も「浮気なんてしないし、相手を信頼しているから大丈夫!」と思っていても、人の心は変わりますし、人生の中には様々な出会いが待ち構えています。

また、夫婦喧嘩をした拍子に、寂しさを埋めるよう浮気に走る人もいるでしょう。そして、別居婚だからこそ浮気をされても気づきにくいというデメリットも潜んでいます。

こちらの記事では、夫婦間における不倫(不貞行為)について解説しています。別居婚によって不倫が起きるか心配な方は参考にしてください。

周囲や子供から理解されにくい

別居婚は周囲から理解されにくく、お子さんがいらっしゃる場合は寂しさを感じる可能性もあります。

夫と妻は「それでいい」と思っているからといって、必ずしもお子さんも「別居の家族でいい」と納得するわけではありません。

お子さんがいらっしゃる場合は夫婦だけでなく、お子さんの気持ちも尊重しながら別居婚を検討しましょう。

ライフステージによる別居婚のメリット・デメリットを解説

一口に別居婚と言えど、別居婚を選択した理由も異なれば、夫婦の年齢・ライフステージによって、別居婚のメリット・デメリットも異なってきます。

最後にライフステージに合わせて別居婚のメリット・デメリットを解説します。ご自身の別居婚をしたい理由などに当てはめてお読みください。

子供が幼い夫婦の別居婚、メリットとデメリット

別居婚

小さなお子さんがいらっしゃるご夫婦の別居婚の場合、最大のデメリットは、子供と同居する方に育児の負担がかかってしまう点です。

同居しているご夫婦間でも、育児の負担についてたびたび話題になりますが、親と子供が育児に関わる時間は苦しくともわずかな時間。そのわずかな時間にどちらかが育児に参加できないと、知らず識らずのうちに不満も溜まっていくものです。

ただ、片方が仕事の都合上で別居をしてた方が子供の生活リズムが崩れず、経済的にも余裕が生まれるなら、メリットも感じられるでしょう。

子供が自立した夫婦の別居婚、メリットとデメリット

子供がある程度、成長したことをきっかけに別居婚を選択する夫婦の場合、デメリットは老後資金の形成が難しいという点です。

子育てもひと段落したからこそ、母として、父としてではなく、お互いが1人の人生を歩みたいという方は多くいらっしゃいます。それでもいざ別居婚に踏み切れないのは、やはり経済的な問題があるからでしょう。

金銭的な面をクリアした夫婦であれば、婚姻関係を継続したまま第二の人生を歩めるメリットがあります。とくに「子育てが終わってから、夫婦間での会話が減ってしまった…」というご夫婦にとっては、別居婚をすることでマンネリを解消も期待できます。

DINKS夫婦の別居婚、メリットとデメリット

子供を意図的に作らない共働き夫婦(DINKS)が別居婚を選択した場合、お互いのプライベートに干渉することなく、仕事や自分の時間に打ち込めるメリットがあります。また、別居婚であっても婚姻関係にあるなら、どちらかに万が一のことが起きても支え合えるポジションなので、心強いですよね。

しかし、別居婚によって「わざわざ結婚を続ける意味があるのか?」と、離婚へと加速するケースもあるのがデメリットです。

お子さんがいない共働き夫婦だからこそ、別居状態での婚姻生活は離婚までの踏ん切りが良い意味でも悪い意味でも早くなります。

定年退職後夫婦の別居婚、メリットとデメリット

定年退職後の別居婚

定年退職後に夫が家にいることで、体調を崩してしまうという話を聞いたことはありませんか?
これは夫原病といい、タレントの上沼恵美子さんも経験した病です。

とくに、現段階で定年退職を迎える世代は、「家事は女性の仕事、男性は外で稼いで来るもの」という固定概念が強く、亭主関白な方も多いと言われています。

こういった背景もあり、亭主関白な夫と家庭で過ごす時間が増え、心身共に憔悴してしまう女性も増えているのです。

上沼さんの場合は夫原病を発症してから、同じマンション内で別居婚状態にあるとおっしゃっていましたが、今でも夫婦として婚姻関係を続けています。

熟年離婚になかなか踏み切れないご夫婦にとっては、別居婚というカタチで、お互いの希望に辻褄を合わせるのがいいのかもしれませんね。

ただ、定年退職後に別居婚を行うとなると、やはり金銭的な問題が浮上します。別居婚によって老後資金が減ってしまう可能性もあるでしょう。
ある程度、老後資金を確保しながら別居婚を続けられる方にとっては、定年退職後の別居婚はメリットを感じやすいかもしれません。

熟年不倫が急増する原因については、こちらの記事でも解説しています。

まとめ

共働き世帯も急増している現代において、別居婚は結婚後も「自分としての人生、夫婦としての人生を両立するための手段」となっていくことでしょう。

しかし、別居婚だからこそのメリットもあれば、苦労もあります。パートナー間で別居婚について話し合う際は、良い側面だけでなくデメリットやリスクについても触れておきましょう。合わせてライフステージが変わっていく段階で別居婚を継続するかどうかも、目処を立てておくことをオススメします。

どんなカタチであれ、2人が信頼しており、相手を尊重する気持ちを持って夫婦生活を楽しみたいものですね。