財布のなかから知らぬ間にお金が抜かれた場合、窃盗被害として警察に相談する前にまずは状況を確認しましょう。冷静に自分の行動を振り返るほか、被害状況の確認や記録、周囲からの情報収集などは、犯人探しの有効な手だてとなります。
この記事では、財布からお金を抜かれたときの犯人探しや再発防止策を解説します。
- 財布からお金を抜かれたらまず何をするか
- 財布からお金を抜いた犯人の探し方
- 財布からお金を抜かれないための再販防止策
財布からお金を抜かれたときにまずやること
自分の財布からお金を抜かれたときにまずやることは、主に次のとおりです。
- 自分の行動を振り返る
- 被害状況の確認と記録
- 周囲から情報収集
- 警察への相談は慎重に判断する
自分の行動を振り返る

財布からお金が抜かれたことに気づいた時点で、まずは冷静に自分の行動を振り返りましょう。お金を抜かれた可能性があるのは、どのタイミングだったか、財布をどこで使ったか、誰と接触したかを思い出します。例えば、公共の場所で財布を取り出した時、知人とやり取りをした際に財布が開かれていたなど、心当たりがある場合はそれを記録しておくことが重要です。
また、財布を取り扱った場所や時間を細かく振り返り、注意深く状況を把握することで、犯人がどのタイミングでお金を盗んだのかを特定できる可能性があります。この段階では、感情に流されず、冷静に事実関係を整理することが大切です。
被害状況の確認と記録
次に、財布の中身や被害額を確認しましょう。盗まれた金額や、残っている現金、カード類などの状況をチェックし、記録します。特に、クレジットカードやキャッシュカードなどが盗まれた場合、カード会社への連絡が必要です。カードが盗まれた場合、すぐにカード会社に連絡してカードを止める手続きをしましょう。
さらに、財布が盗まれた場所やその時の状況も記録しておくことが重要です。もし防犯カメラが近くにあれば、その映像の確認も必要です。また、被害額がわかる支出履歴なども役立つ証拠となります。記録を取ることで、警察に相談する際にも役立ちますし、後で証拠を必要とする場合にも有効です。
周囲から情報収集
財布からお金が抜かれたことに気づいたら、周囲の人々から情報を収集しましょう。特に、財布を使用していた場所や近くにいた人物から、何か不審な動きがなかったかを尋ねるのが効果的です。例えば、駅の売店で財布を取り出していた時に誰かが近づいてきた、周囲の人が急に立ち去ったなど、何か気になる点があれば、後で役立つ証言になる可能性があります。
警察への相談は慎重に判断する
財布からお金が抜かれた場合、警察への相談を考えることになりますが、この判断は慎重に行う必要があります。特に、家族や知人が加害者である可能性がある場合、警察に相談することで関係が悪化するリスクを避けるため、慎重な対応が求められます。
家族や親しい友人、同僚が犯人である可能性がある場合、警察への通報がその後の関係性に大きな影響を及ぼしかねません。警察への相談を通じて、加害者が自分の身内や知り合いであることが明らかになると、その後、家族内での信頼関係が壊れたり、周囲との人間関係に深刻なひびが入る恐れもあります。そのため、このような場合はまず、家族や知人との直接的な対話を試みることが望ましいでしょう。
財布からお金を抜く犯人の動機
財布からお金を抜こうとする犯人の動機として、以下が考えられます。
- 金銭的な困窮
- ストレス
- 依存症
金銭的な困窮
財布からお金を抜く犯人の動機として、金銭の困窮が挙げられます。即座に金銭を得るために、リスクを冒してまで身近にある他人の財布に手を出してしまうのです。
ストレス

ストレスも犯行の動機として考えられる要因です。職場や家庭でのプレッシャー、家庭内の問題や職場内での人間関係などがストレスとなり、そのストレスを解消する手段として、財布からお金を盗むことに走る場合があります。自己抑制が効かない状況でストレスを発散する方法として、盗みを行うケースもあります。
ストレスが動機の場合、犯人は一時的な解放感を求めて犯行に及び、犯罪を犯した後に後悔することがあるでしょう。
依存症
病的窃盗や窃盗症と呼ばれる病態が原因で、他人の財布からお金を抜いてしまう人もいます。病的窃盗とは、物を盗むことに対する強い衝動があり、その衝動を抑えきれずに盗みを繰り返す精神的な状態を指します。また、病的窃盗の人々は、何度も盗みを犯してしまうことがあり、物を盗んだ後に後悔や罪悪感を感じても、再び同じ行動に走ってしまいます。
これらは、依存症のひとつの症状であり、他の依存症と同様に、専門的な治療を受けない限り改善が難しいでしょう。
財布からお金を抜かれたときは証拠を収集する
財布からお金を抜かれたときは証拠の収集が欠かせません。具体的な証拠収集方法は次のとおりです。
- 指紋や防犯カメラを確認する
- 周囲の人物を見極める
指紋や防犯カメラを確認する

お金が盗まれた場所に指紋が残っている場合、その指紋を証拠として利用することができます。財布や財布の周りに触れたと思われる物品があれば、その指紋を調べることで犯人を特定する手がかりになります。しかし、指紋を収集する際は、自己判断で触れたり掃除したりしないようにしましょう。指紋を採取するには専門の業者が必要なため、警察に連絡して指紋を採取してもらうことが重要です。
また、防犯カメラが設置されている場所であれば、その映像を確認することが有効です。特に、公共の場所や商業施設などでは、防犯カメラが設置されていることが多いため、映像を確認することで、犯行が行われたタイミングや周囲の人物を特定する手助けとなります。防犯カメラの映像は、証拠として非常に有力ですので、できるだけ早く映像の確認を行いましょう。
指紋収集、防犯カメラの確認ともに個人が実施するのは困難なため、警察に相談が必要です。
周囲の人物を見極める
財布からお金を抜かれたことに気づいた時点で、周囲にいた人物を見極めることも重要です。特に、財布を使用した場所や近くにいた人物に注目しましょう。自分が財布を取り出した瞬間に近くにいた人物や、その後に何か不審な動きがあった人物がいれば、その人物が犯人である可能性があります。
周囲の目撃者を探すことも有効です。周囲にいた人たちからその場で何か不審な動きや人物を見たかどうかを尋ねることで、加害者を特定するための手がかりを得ることができます。また、その人物が見た情報や証言を記録しておくことも重要です。証人がいれば、その証言が後に証拠として役立ちます。
警察に被害届を出す方法と注意点

財布からお金を抜かれたのであれば、警察に被害届を提出するか検討しましょう。
ここでは被害届の提出方法と注意点について解説します。
被害届の提出方法
警察に被害届を提出する際、まずは最寄りの警察署に足を運ぶ必要があります。被害届には、財布が盗まれた日時、場所、盗まれた金額などの詳細が記載されます。そのため、証拠となる資料があれば、事前にまとめておくことが望ましいです。例えば、防犯カメラの映像があれば、警察に提出しましょう。
なお、被害届の作成は、警察官が被害者から状況を聞いて作成します。(※1)
被害届を提出することで、警察が捜査を開始します。警察が捜査を行うかどうかは、証拠や被害状況によって異なるため、捜査にどれくらいの時間がかかるかは一概には判断できません。被害届を提出した後は、警察からの連絡を待ち、必要に応じて追加の証拠を提供しましょう。
警察が捜査とは限らない
警察に被害届を出したとしても、捜査をするとは限りません。ここでは警察が捜査をするケース、しないケースについて解説します。
警察が捜査するケース
警察が捜査を行う場合、まずは被害届に基づいて捜査が始まります。特に、盗難の証拠が揃っている場合や、被害額が高額である場合には、警察が捜査を積極的に行います。防犯カメラの映像や目撃者の証言などが有力な証拠となり、犯人の特定に繋がる可能性が高いでしょう。
警察が捜査しないケース
警察が捜査を行わない場合は、被害額が少額である場合や証拠が不十分な場合が考えられます。また、犯人が家族の可能性があれば、警察は積極的に捜査しない可能性があるので、別の方法で犯人を探し出しましょう。
警察以外に探偵への調査依頼するメリット
警察以外に探偵へ犯人の調査依頼をするメリットは次のとおりです。
- 警察に相談しづらいケースも対応してくれる
- 自らが危険に晒されるリスクを抑えられる
警察に相談しづらいケースも対応してくれる

犯人が家族や身近な知人である場合、警察に相談することに心理的な抵抗が生じることがあります。警察に報告することで関係が悪化するリスクを避けたいと考える人も多いでしょう。そのような場合、探偵に依頼すれば、家族や知人に配慮した形で調査が進められるため、警察に頼らずに問題解決ができます。
探偵は慎重に証拠を集め、必要な情報を提供してくれるため、家族間や友人との問題を最小限に抑えてくれるでしょう。
自らが危険に晒されるリスクを抑えられる
自分で犯人を追い詰めたり、調査を進めたりすると、知らず知らずのうちに自分が危険な目に遭う可能性があるでしょう。探偵に依頼すれば、専門的な知識と経験を持つプロフェッショナルが安全に調査を行います。これにより、調査中に自分が危険にさらされるリスクを抑えつつ、適切に犯人を追跡することができます。
自分での犯人探しが困難である場合や、少しでも身の危険を感じた場合は探偵へ調査依頼を検討しましょう。
財布からお金を抜かれたら再発防止策を講じる
財布からお金を抜かれていたのであれば、以下のような犯人が見つかるまで再発防止策を講じましょう。
- 保管場所を見直す
- 防犯対策を強化する
- お金の流れを記録しておく
再発防止策を講じることで、再発による被害を抑えられます。
保管場所を見直す

財布からお金を抜かれるリスクを減らすために、まずは財布の保管場所を見直しましょう。財布を公共の場に放置したり、目の届かない場所に置いたりすることは避けるべきです。
バッグの内側やポケットなど、盗難のリスクが低い場所に財布を保管しましょう。また、貴重品を持ち歩く場合は、バッグを施錠できるものにする、財布を別の場所に保管するなど、工夫が必要です。
防犯対策を強化する
財布の盗難を防ぐためには、防犯対策の強化が不可欠です。外出時に盗難防止アイテムを利用することや、財布を持ち歩く際にはポケットの内側に入れるなど、簡単な対策を講じるだけでリスクを減少可能です。自宅では金庫やセキュリティボックスを活用し、現金や貴重品を安全に保管しましょう。
また、外出先では周囲に気を配り、財布が見えないように工夫すると更に安全性が高まります。
お金の流れを記録しておく
お金の流れを定期的に記録しておくことも、再発防止につながります。家計簿やアプリを活用し、現金の出入りを把握することで、盗まれた場合の証拠として役立つでしょう。
お金の流れを把握しておけば、財布の中身や使い方に無駄がないかを確認できるだけでなく、盗難防止の意識も高まります。
また、大切なお金は複数の場所に分けて保管することも有効です。
財布からお金を抜かれたら探偵への相談も検討
財布からお金を抜かれてしまった場合、自分の行動を振り返る、被害状況の確認と記録などの対応を取りましょう。警察に相談する際は慎重に対応しましょう。犯人が家族であった場合や被害額が少ない場合、警察が捜査しないケースもあります。
財布からお金を盗んだ犯人を探すのであれば、警察以外にも探偵への相談も検討しましょう。探偵であれば警察が捜索しないケースであっても、調査を進めれくれます。
探偵に調査を依頼するのとあわせて、財布の保管場所の見直しや防犯対策の強化など、再発防止の予防策を講じておきましょう。