探偵バイトの仕事内容とは?探偵の年収や向いている人の特徴も解説

探偵バイトの仕事内容とは?探偵の年収や向いている人の特徴も解説

探偵になりたい、探偵として活躍したいと考えていてもどのような仕事をしているのか、具体的に把握している人は少ないでしょう。探偵は不倫調査や人探しだけでなく、さまざまな仕事に対応しています。また、探偵は仕事に対応するために尾行や張り込み、聞き込みといった専門的なスキルを用います。

この記事では探偵バイトの仕事内容や探偵の年収、向いている人の特徴などを解説します。

この記事を読んでわかること
  • 探偵のバイトがどのような仕事をするのか
  • 探偵のバイトのお給料や探偵になる方法
  • 探偵に向いている人・向いていない人の特徴

探偵バイトの主な7つの仕事内容

探偵バイトの主な仕事内容は次のとおりです。

  • 不倫調査
  • 人探し
  • 素行調査
  • 企業調査
  • いじめ調査
  • その他の調査
  • 報告書作成などの事務作業

不倫調査

探偵の仕事のなかでも代表的なのが不倫調査です。配偶者や交際相手の裏切りを立証するため、対象者の行動を尾行と張り込みで追跡し、ラブホテルや自宅への出入りを高感度カメラで撮影します。深夜帯や休日に及ぶ長時間勤務が多く、チームで連携しながらバレない距離と位置を保ち続ける忍耐力機材操作スキルが欠かせません。撮影データは時刻情報を埋め込み、裁判資料としての要件を満たすよう編集します。

人探し

探偵は家出人や行方不明者、旧友、相続人まで幅広く捜索します。住民票や戸籍の追跡だけでなく、SNSや防犯カメラ映像などデジタル痕跡を分析し、現地聞き込みで最終所在を特定します。長距離移動や地方自治体・警察への照会が必要になることも多く、交渉力迅速な情報整理力が求められる仕事です。

素行調査

素行調査も探偵の仕事のひとつです。具体的には婚約者や社員、子どもの生活実態を連日観察し、交友関係や金銭トラブルの有無をチェックします。対象者の生活リズムを事前に洗い出し、昼夜を問わず張り込みと追尾を繰り返すため体力が必要です。得られた行動ログをグラフ化し、依頼者がリスクを一目で把握できる報告書にまとめます。

企業調査

探偵は依頼者の取引先の信用確認や社内不正の証拠収集を担います。登記簿や決算書、訴訟情報をデスクで精査したうえで、覆面視察や社員聞き込みで裏付けを取ります。法人向け案件のため、報告書は客観データと現場写真を組み合わせたビジネス文書形式で提出するのが特徴です。

いじめ調査

探偵は依頼を受けたら学校や職場でのいじめ・ハラスメントの調査にも乗り出します。SNSのスクリーンショット、ICレコーダーでの音声収集、張り込み撮影を組み合わせ、継続性と加害者を特定します。被害者保護を最優先に、教育機関や企業のコンプライアンス部門と連携するケースもあります。

その他の調査

探偵は不倫調査や人探し、素行調査など以外にも盗聴器発見ストーカー対策ペット捜索詐欺被害実態の裏付けなど、多岐にわたる仕事に携わります。特殊機材や外部専門家の協力が必要な案件も多く、幅広い知識と柔軟な対応力が問われるでしょう。案件ごとに法規制を確認し、違法行為を避けつつ効果的な方法を選択します。

報告書作成などの事務作業

探偵は報告書をはじめとした事務作業も必要です。調査で取得した写真や映像、聞き込みメモを整理して報告書を作成します。調査報告書は不倫の証拠にもなり得る重要な書類です。

事務作業をスムーズに進めるためにはWordやExcel、画像編集ソフトを使いこなすPCスキルが求められるでしょう。

探偵が仕事で用いる3つの技術

探偵が仕事で用いる技術として以下が挙げられます。

  • 尾行
  • 張り込み
  • 聞き込み

それぞれの技術について詳しく解説します。

尾行

尾行は探偵業務の中心で、対象者の行動を密かに追跡し証拠を押さえる技術です。徒歩尾行では人混みに溶け込んで3〜10メートルの距離を保ち、電車移動では乗車位置と降車駅を想定して追跡を途切れさせません。車両尾行では複数台を使って信号分断を回避し、車間を空けてヘッドライト反射で気付かれない工夫をします。

地理調査としてストリートビューや現地下見で退避路・迂回路・駐車ポイントを把握し、高倍率ズームカメラにGPS時刻を埋め込む設定にしておけば、裁判や慰謝料請求に耐え得る報告書を作成できます。

張り込み

張り込みは特定の場所に先回りして長時間待機し、対象者の動きを定点で捉える手法です。車内張り込みではカーテンやサンシェードを装着し、エンジン音や光漏れを抑えて存在を悟られないようにします。季節ごとの体温管理も重要で、夏はポータブルクーラー、冬は電熱ベストなどを準備するケースもあります。

張り込み時に使用する機材は低照度でも鮮明な映像を撮れる高感度カメラと、遠隔操作可能なリモートシャッターを併用するのが一般的です。また、住宅街や学校周辺での張り込みでは住民トラブルを避けるため、駐車許可の有無や撮影可能エリアを下見することが鉄則です。収集した映像は時系列で並べ、対象者の出入り時刻と行動を可視化したストーリーボード形式で依頼者に提示します。

聞き込み

聞き込みは尾行・張り込みで得た情報を補完し、対象者の生活背景や交友関係を立体的に把握する工程です。家出人捜索では近隣住民やコンビニ店員、公共施設の職員など日常的に対象者を目にする可能性が高い人物に接触し、自然な会話の中で情報を引き出します。

企業調査では元従業員や取引先に連絡し、守秘義務を尊重しつつ不正の有無をヒアリングします。聞き込みの際はプライバシー名誉毀損リスクを低減するため、取材理由を簡潔に伝え、録音前に同意を得ることが必須です。

なお、得られた証言は真偽を確認するため複数ソースとクロスチェックし、日時・場所・発言内容を詳細に記録して報告書へ反映させます。

探偵になる方法は大きく2つ

探偵になる方法は大きく次の2つです。

  • 探偵事務所に応募する
  • 自分で開業する

それぞれのステップについて解説します。

探偵事務所に応募する

一般的な方法が探偵事務所で調査員としてキャリアを始めるルートです。求人サイトや事務所の公式ページには調査スタッフや現場アシスタントなどの名称で募集が掲載され、応募条件は普通自動車免許と基本的なPCスキル程度というケースが多くあります。

採用後は社内研修にて以下のような基礎を学びます。

  • 探偵業法
  • 個人情報保護法
  • 尾行と張り込み方法

基礎を学んだら先輩調査員に同行して実地経験を積みます。研修は1〜3ヵ月ほどで、その後はチームのサブとして撮影や報告書作成を担当し、独り立ちするまでに約1年が目安です。近年はシフト制や有給整備が進み、年間休日100日以上を確保できる事務所も登場しています。

探偵事務所への応募は専門的な指導を受けつつ段階的にスキルを習得できる点が最大のメリットですが、繁忙期の長時間労働や週末稼働は避けられず、生活リズムの調整が求められるでしょう。

自分で開業する

自ら探偵業を開業するという方法もあります。個人・法人いずれの場合も、営業を開始しようとする日の前日までに、営業所を管轄する都道府県公安委員会に対して、所轄警察署長を経由して届出が必要です。

届出に虚偽の記載があった場合や届出しなかった場合、名義を他人に貸した場合は次のような罰則が科せられます。(※1

  • 届出をしないで探偵業を営んだ者:6月以下の懲役又は30万円以下の罰金
  • 届出書・添付書類に虚偽の記載をして提出した者:30万円以下の罰金
  • 名義貸しをした者:6月以下の懲役又は30万円以下の罰金

自分で開業する際は、事務所物件確保や撮影機材・車両購入、広告宣伝費などの初期投資も必要です。さらにWebサイト運営やSNS広告、弁護士・行政書士とのネットワーク構築といった営業、経営スキルも求められるでしょう。

初期投資をはじめとして、さまざまな負担が発生するものの、自由度は高く、案件単価を自ら設定できるため希望の年収も実現可能です。

探偵の年収は420万円

探偵の年収は勤務形態や地域で大きく変動するものの、一般的に年収は約420万円とされています。

正社員として勤務し始めると固定給、深夜・危険手当、成果歩合で構成された給与を受け取るのが一般的です。そこからキャリアアップを重ねると年収も高くなっていきます。なかには、一定のスキルを積んだら独立開業をして、年収アップを目指す人もいるでしょう。

バイトの時給は1,050円ほど

一般的に調査アシスタントや張り込みスタッフといったアルバイトの平均時給は1,050円前後です。都市部の大手事務所では深夜割増や報告書作成手当が上乗せされ、1,200〜1,400円を提示する求人もあるでしょう。

アルバイトの主な業務はカメラ機材の設置・撤収、車両運転、簡易尾行、映像のカット編集などです。案件ごとに勤務時間が変動するため、週3日・1日4時間からのシフト制を採用しているのが一般的です。

バイトの時給を上げるためには、普通二種免許や無線資格の取得、画像編集ソフトの実務能力アピールなどが有効です。

探偵に向いている人

探偵に向いている人は次のような特徴があります。

  • 忍耐力がある
  • コミュニケーション能力に長けている
  • 観察力に優れている
  • 運転技術が高い

忍耐力がある

探偵業務では、長時間の張り込みや尾行が頻繁に行われます。これらは体力的にも精神的にも厳しく、忍耐力が求められます。夜間や悪天候の中での長時間待機も必要です。

なお、計画的に進められた調査がすぐに結果を出すとは限りません。そのため、焦らず、時間をかけて確実に証拠を集める忍耐力が必要です。

コミュニケーション能力に長けている

探偵の仕事では、依頼者とのやり取りはもちろん、時には対象者との接触や聞き込みを行うこともあります。これらの業務をスムーズに進めるためには、高いコミュニケーション能力が欠かせません。聞き込みを行う際には、相手の警戒心を解き、自然な会話を進めるスキルが求められます。

また、調査結果を報告する際にも、複雑な内容をわかりやすく伝える力が重要です。複雑な人間関係が関わる事案であっても、わかりやすく伝えれば、依頼者の信頼を得られるでしょう。

観察力に優れている

探偵は対象者の行動を密かに監視するため、観察力が非常に重要です。どんな小さな変化や兆候でも見逃すことなく記録することが求められます。例えば、尾行中には対象者の進行方向や歩調、時間帯の変化を正確に把握し、即座に対応しなければなりません。周囲の状況をしっかりと観察し、記憶する能力に長けていれば、探偵の仕事に向いているでしょう。

運転技術が高い

車両尾行を行うことも多いため、運転技術の高さは非常に重要です。交通状況や道路状況を即座に把握し、ターゲットを見失わないようにするための運転技術が求められます。特に都市部での渋滞時や、対象者が急に移動する場合には、冷静に判断しながら運転を行うスキルが不可欠です。

車両による尾行は当然、安全運転が求められます。安全運転を維持しつつ、尾行を完璧に行うためには、日々の運転スキルの向上も大切です。

探偵に向いていない人

探偵に向いている人に対して、次のような人は探偵に向いていない傾向にあります。

  • ストレス耐性がない
  • 広い視野を持てない

ストレス耐性がない

探偵業務では、長時間の張り込みや尾行、予測できないトラブルなどが頻繁に発生します。例えば、深夜帯に長時間車両を運転して対象者を追跡することや、過密スケジュールで複数の案件を同時にこなすことが求められる場合もあります。

このような状況に対してストレス耐性が低いと、プレッシャーや長時間の仕事に耐えることが難しいため、業務を遂行するのが困難になりかねません。

広い視野を持てない

探偵業では、状況や情報を正確に把握し、適切な判断を下す能力が必要です。狭い視点で物事を見てしまうと、重要な情報を見逃すことがあります。例えば、尾行中に他の車両や人物が関わってきた場合、その人物が次のターゲットに繋がる可能性があることを見逃してしまう恐れがあるでしょう。視野が狭くなると、仕事を進める上での精度が欠けてしまいます。

探偵として活躍する際の3つの注意点

探知として活躍する際は次の3つに注意しましょう。

  • 法律を守る
  • 危険な依頼は断る
  • ワークライフバランスを維持するように心がける

法律を守る

探偵として働くうえで最も重要なのは、法律を守ることです。探偵業務は非常にデリケートな情報を取り扱うため、法律を順守しないと重大なリスクが生じます。例えば、無断でのプライバシー侵害不法な尾行違法な調査方法を行うことは、法律違反となり刑事罰を受ける可能性もあるでしょう。

さらに、調査に関して依頼者から得た情報や結果も適切に扱い、漏洩しないよう注意することが重要です。違法行為を行わないよう、常に法的な観点を持つことが探偵としての信頼を築くためには欠かせません。

危険な依頼は断る

探偵業務において、危険を伴う依頼がある場合、依頼を断ることも重要です。例えば、暴力団関係者からの依頼や、違法行為が含まれる調査については、いかなる場合でも受けるべきではありません。

また、身体的な危険を伴う調査についても、安全が確保できない場合は無理に引き受けるべきではありません。

このような依頼を受けてしまうと、自分だけでなく、事務所全体や業界全体の信用に大きな影響を与えることになります。危険を回避し、倫理的に問題のある依頼を避けることで、探偵として長く信頼を得られる仕事を続けることができます。

ワークライフバランスを維持するように心がける

探偵の仕事は非常に忙しく、時には深夜や週末に調査を行うこともあります。そのため、体力的・精神的に疲れることが多く、長時間働きがちです。しかし、長期的に健康的に働くためには、ワークライフバランスを維持することが重要です。

過労やストレスがたまると、調査の質にも悪影響を与えますし、健康にも問題が生じます。適切に休息を取り、趣味やプライベートの時間を大切にすることが、仕事のパフォーマンスを維持するためには欠かせません。心身の健康を保ちながら、効率よく調査を行うことが探偵としての成功につながるでしょう。

探偵の仕事内容を把握してスキルを磨こう

探偵の仕事内容は不倫調査や人探し、素行調査、企業調査などで、尾行や張り込み、聞き込みの技術が求められます。探偵になる方法は既存の事務所に応募するか開業するといった方法があります。開業にあたっては探偵業の届出が必要なため、忘れずに提出しましょう。

探偵として活躍するためには、法律を守る、危険な依頼は断る、ワークライフバランスを維持するように心がけるというポイントを押さえておきましょう。さらに、普通二種免許や無線資格の取得、画像編集ソフトの実務スキルを向上させることで給与アップが期待できます。

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