行方不明者を探す6つの方法|捜索前にやるべきこととは?

子どもが家出をして居場所が分からなくなってしまった。認知症を患っている祖母が外出先から戻らない…。もし自分の大切な人が行方不明になってしまったら、私たちにはどんなことができるのでしょうか?

そこで今回は、行方不明になってしまった人の具体的な探し方を紹介していきます。

大切な人だからこそ、その居場所が分からなければ、辛い気持ちと焦る気持ちで心に波が立ってしまうものです。だからこそ少しでも早く見つけ出すために、取り入れられる方法を一つでも多く試していきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 行方不明者を探す前にやっておきたいこと
  • 行方不明者を自分で捜す具体的な6つの方法
  • 警察・探偵事務所に依頼する時期と方法

行方不明者を探す前にやっておきたいこと

大切な人の捜索では、余計な手間や時間を省くために、行方不明者を探す前に知っておきたいことを確認しておきましょう。

➀できるだけ早期に捜索を始める

行方不明者を探す一番の方法は、どれだけ早期に捜索を開始できるかにかかっています。

これは警察庁から発表される令和3年の行方不明者状況でも立証されており、令和3年の行方不明者は79,218人、この中で所在確認されたのは受理当日が最も多く33,650人(約42%)、次いで2日~7日が21,097人(約26%)となっています。

またその後さらに日数が経過した数値を見ていくと、8日~14日で2,446人(約3%)、15日~1ヶ月で2,078人(約2%)と、行方不明者届を出した約1週間以内が所在確認の多きな壁となっていることがわかります。(参照:警察庁より「令和3年における行方不明者の状況」)

このようにデータだけ見ても、行方不明者の発見には早期に捜索を開始することがどれだけ大事かということがわかります。

②正しい方法で捜索を行う

行方不明者を確実に見つけるためには、早期に捜索を始めるのは非常に大切ですが、それだけでなく正しい捜索方法で行方不明者を探すのも重要です。

子どもが帰宅している時間に返ってこない、認知症を患う祖母の行方が分からない。こうした自分の意志で行方をくらませることが難しい、といった場合は自分たちだけで探さず、すぐに警察などの公的な助けを借りて捜索を行いましょう。早期に探すことは大切ではありますが、事件や事故の可能性がある場合は、個人の捜索には限界があります。

ただ成人している家族の行方がわからない場合、警察に捜索をお願いしても、中には積極的に捜索が行われないケースもあります。こういった場合では、もし自傷や自殺などの差し迫った危険がある場合は、素人である自分たちだけで捜索を行うのではなく、できるだけ早い段階で探偵事務所などのプロに依頼することも視野に入れておくと、早期に問題の解決が図れる可能性があります。

早く探した方がよいからといって、やみくもに自分たちだけで探すのではなく「今の状況ではどういう探し方が一番良いか?」を考えて捜索にあたりましょう。警察や探偵事務所への詳しい依頼時期は、記事後半で触れているため合わせて読んでおきましょう。

③行方不明者のデータを集める

早期に探すことの大切さ、またどんな探し方が最も良いかについて考えたら、最後は行方不明になった人のデータをできうる限り書き出しましょう。

  • 氏名・年齢・性別・体重・体系・身長・身体的特徴
  • 失踪日の服装・失踪時の髪型
  • 顔と全体が分かる写真
  • 在籍している学校や職場
  • 最後にあった日時・最後にあった時の様子
  • 家族・恋人・友達などの交友関係
  • 趣味・食の志向・行きたいと話していた場所
  • 判明しているSNSのアカウント
  • 免許の有無・持っている資格

家族や近しい関係の場合は、こうした細かな情報を把握することができるはずです。行方不明になっている人物を探すためにも、こうした情報はできるだけ書き出しておきましょう。

行方不明の人を自分で探す6つの方法

捜索の前にやっておきたいこと、正しい捜索方法について考えた後は、自分で大切な人を探すためには、どんな方法があるのかを知っていきましょう。この時一つの方法だけに捉われず、できる限り複数の探し方を並行して取り入れてみましょう。

➀行方不明者の遺留品を観察する

行方不明の人物が残した物を観察しましょう。遺留物をよく観察することで、行方不明の原因が発作的か、計画的かを判断することができます。例えば発作的な場合は、スマホや財布など外出する際に必要なものが残りやすい反面、計画的な場合は必需品だけでなく服や下着など細かな必需品を持ち出しやすい傾向があります。

またこの他にもよく使っているPCなどが残っていれば、最近よく見ていたサイトをみたり、ブックマークやお気に入り登録されているサイトを閲覧してみましょう。

もし自分の意志で行方をくらませている場合は、そうした残した物の中に行先のヒントが隠れている可能性があります。特に、

  • 地元とは遠い地域の情報
  • 飛行機・電車・新幹線などのチケットサイト
  • よく本人が口にしていた行ってみたい場所

の履歴などについてはより丁寧に観察しておきます。またWEB関連の遺留物や必需品の有無だけでなく、部屋は散らかっているのか?それともとても片付いているのか?といった点だけでも、行方不明になる前の本人の精神状態を知る手掛かりになります。

②スマホのアプリで探す

近しい人物が行方不明になった場合、アプリを使って居場所を特定できないか考えてみましょう。

iPhoneを使って居場所を特定する

iPhoneには「探す」という機能がついており、以下の条件を満たしていればPCを使ってGPSでiPhoneの位置情報を把握できます。

  • 探したい人物のスマホの電源が入っている
  • 探したい人物の「探す」がオンになっている
  • 探したい人物のiPhoneの位置情報がオンになっている
  • 探したい人物のAppleID、パスワードを知っている

この4つの条件を満たしていれば、PCで現在そのiPhoneのある場所を特定できます。これはiPhoneを紛失した時のためにつけられた機能ですが、その機能を使って行方不明の人物の位置情報を知ることができるのです。

Androidを使って居場所を特定する

Androidの場合は「端末を探す」で、以下の条件を満たしていれば探したい人物の位置情報を把握することができます。

  • 探したい人物のスマホの電源が入っている
  • 探したい人物の位置情報がオンになっている
  • 探したい人物のスマホに「端末を探す」がインストールされている
  • 探したい人物の「端末を探す」がオンになっている
  • 探したい人物のGoogleアカウントとパスワードが分かる

PCから端末を探す場合は、ブラウザに「スマートフォンを探す – Google Account」と入力すると、先頭にこれが出てくるためクリックしましょう。その後ログイン画面が出てくるため、探したいスマホと紐づけられているGoogleアカウントとパスワードを入力し、探したいスマホをクリックします。

その後右横に「着信音を鳴らす」「端末を探す」の表示が出るため、「端末を探す」をクリックすれば探したいスマホの位置情報がわかります。

位置情報アプリをインストールしていないか確認する

もし家族や友人間で以下のような位置情報アプリを入れているなら、それで行方を掴めないかを考えてみましょう。

  • life360
  • iシェアリング
  • Zenly

家族間でインストールしている場合はすぐに行方が掴めますし、もし家族では使っていなくても、現在は友人との待ち合わせなどをスムーズにするため、友達同士でインストールしている場合もあるため、もし心当たりがあるようであれば、親しい友人にアプリを入れていなかったか確認してみましょう。

③近隣や近しい人物に聞き込みを行う

行方不明者が出た場合は、近隣や同僚・友人・家族など本人と近しい関係の人から事情を聞いてみましょう。

ただし聞き込みを行う場合は、「この人のことを知りませんか?」といった曖昧な聞き方ではなく、

  • この人を探しているのですが、最後に会ったのはいつですか?
  • あった時に、悩んでいる、疲れているなど変化は感じませんでしたか?
  • どこかに行きたい。など場所に着いて言及していませんでしたか?

など、相手の記憶が想起されやすいように具体的な聞き込みにしましょう。また聞き込みを行う時は、できるだけ相手に警戒心を持たれないためにも、探している人物とどんな関係か、すでに警察にも届け出を行っているなど、心配や事実が伝わる話し方を心がけてみてください。

④ビラ配りやポスターなどを貼る

地道な方法ですが、ビラ配りやポスターなどを掲示するのも行方不明者の捜索としてはポピュラーな方法です。ビラやポスターには、

  • 探している人物の写真
  • 名前・年齢・性別・体重・身長
  • 失踪当時の服装・失踪当時の様子
  • ほくろ、あざ、眼鏡など身体的な特徴
  • 情報提供の連絡先(携帯電話と行方不明者届を出した警察署)

などを記載しておきましょう。ビラを貼る場所は、駅構内や商業施設などの場合は管理者に確認を取り、店舗の店先に張り出してほしい場合は各店舗のオーナーと直接交渉し無断で貼らないように気をつけましょう。

ビラ配りの時間帯についても、できるだけ失踪した時刻付近か人が多い時間に行った方が、同じ時間帯にそこにいた人に会いやすくまた一度に多くの人へ情報提供を呼び掛けることができるので、ビラを配る時間も考慮しておきましょう。

⑤クレジットカードの利用明細から探す

もし行方不明者が失踪後クレジットカードなどを利用していることが分かった場合は、その足跡を追っていきましょう。

月ごとに送られてくる紙の利用明細では、手元に届くまでかなりのタイムラグがありますがWEB明細などを利用している場合は、使用店舗によっては利用後すぐに使用履歴が反映されるため、行方不明者探しに役立てることができます。例えば、

  • ガソリンスタンドなどで利用していないか?
  • 宿泊施設などでの利用はないか?
  • 行方不明地点と離れた地域での使用はないか?

などを確認するとともに、使用履歴がある時点では生存が確認されているため早く見つけ出したい場合は、使用した痕跡のある店舗などを訪れ聞き込みを行うのも効果的です。

⑥SNSを利用して探す

SNSを利用するのも行方不明者を探すには効果的です。SNSを使う場合は、本人のアカウントが分かっている場合と、できるだけたくさんの人に捜索を呼び掛ける場合の2種類の方法があります。

本人のアカウントが分かっている場合

Twitter・Facebook・Instagramなど、本人のアカウントが分かっている場合は、そのアカウントに残っている情報を精査し捜索に役立出ましょう。個人のアカウントの中には、

  • 本人の趣味
  • 行ってみたいと話していた場所
  • その時点での本人の心境
  • 直接orネット上で親しい人物

など、様々な情報がつまっています。もしアカウント自体には具体的な居場所などのヒントがなかったとしても、DMやフォロワーの中に親しい人物を発見できればその人物に聞き取りを行うことで、新しい情報が分かる場合もあります。

またInstagramは、画像投稿が主流のSNSであることから、投稿されている写真の背景から居場所を特定できることもあります。本人のアカウントは個人情報の宝庫です。少しでも捜索に役立てることを見つけるためにも、細かな部分までチェックしていきましょう。

拡散力のあるSNSを使い広く呼び掛ける

Twitterなどの拡散力のあるSNSを使えば、多くの人に探している人物の情報を募ることができます。Twitterで情報収集を行う場合は、以下の情報を写真などに収めて投稿すると、文字数を気にすることなく詳しい情報を載せることができます。

  • 名前
  • 生年月日、年齢
  • 身長、体重、体型、身体的特徴
  • 行方不明日、行方不明当時の服装
  • 行方不明の経緯
  • 最後に所在確認された時の住所や様子
  • 本人の画像(できれば複数枚)

またこうした情報だけでなく、#人探し#拡散希望#行方不明のようなハッシュタグを使うことでより多くの人の目に触れやすくなります。

ただし一度の投稿で多くの人の目に触れるのは難しいため、プロフィール欄に固定した後、日に何度か同じツイートをリツイートするなどできるだけ多くの人の目に触れる努力を行いましょう。


このように、自分で行方不明になっている人を探す方法は、ネットを使った現代的な方法から、昔ながらの地道な方法まで多岐にわたります。だからこそ一つの探し方に捉われず、試せる探し方は積極的に取り入れていきましょう。

この他にも人探しについてさらにどんな方法があるかを知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみましょう。

警察や探偵事務所に捜索を頼む時期や方法とは?

警察や探偵事務所に捜索を頼む時期や方法とは?

行方不明者を自分で探す方法を知ったところで、次は警察や探偵事務所に捜索を依頼する際の疑問点や、どんなタイミングで相談するのがベストなのかを知っていきましょう。

警察に捜索を依頼する場合

警察に行方不明者の捜索を依頼する場合、どんなタイミングで依頼するか、誰がどのように依頼すればいいのかを知っておきましょう。警察への届け出は以前は「家出人捜索願」という名称でしたが、2010年に「行方不明者発見に関する規則」が施行されたことにより、名称が「行方不明者届」と変更されたことも合わせて押さえておきましょう。(参照:「行方不明者発見活動に関する規則」法令検索より)

➀どんな時に警察に行くのが正解なの?

「行方不明者届」は、できうる限り早期に出すようにしましょう。

警察と聞くと大げさにしたくない…。きっとすぐに帰ってくる。といった希望的観測から、自分たちで探した後に届け出を出す人が多いですが、発見率を高めるためにはどれだけ早期に行政の力を借りるかも大事になります。

またもし届け出を出し緊急性が低いとされ、積極的な捜索が行われなかったとしても、自分たちで捜索を行う上でも警察に正式に届け出ているという事実は、聞き込みやSNSなどでの情報提供を呼び掛ける際など、様々な場面で有効になります。

きっと探してくれないから警察に行っても意味がない、という思考になるのではなく大切な人を見つけるための一つの武器と考えましょう。

②「行方不明者届」は誰が出せるの?

「行方不明者届」を申請できるのは、

  • 親権者・配偶者・後見人など親族や監護者
  • 行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
  • 同居者・恋人・雇い主など行方不明者と密接な関係を有するもの

となっています。(参照:愛知県警察署「行方不明者に関すること」より)このため家族であれば問題なく「行方不明者届」を提出することができますが、例えば仲の良い同僚の行方が分からないといった場合は、会社に連絡し親族に連絡を取ってもらうことが必要です。友人の場合も同様に親族に連絡できる場合は親族に、親族などが分からない場合は会社に連絡し会社から親族に連絡するといった手段をとることになります。

③具体的に届け出を出せる場所は?

「行方不明者届」は原則、

  • 行方不明者の住所地
  • 行方不明者が直前まで居住していいた住所

が管轄する警察署で受理することができます。ただし、実際に届を出す人が遠隔地に住んでいる場合は、

  • 届出人の居住地
  • 行方不明になった場所

でも受理することができます。ただし、交番や派出所などでは受理できないため、必ず警察署を訪れるようにしましょう。

④届け出を出すには何が必要となるの?

「行方不明者届」を出す際は、以下の物と情報を集めてから警察署に行きましょう。

  • 行方不明者の写真
  • 届け出をする人の印鑑、身分証
  • 行方不明者の本籍、住所、氏名、生年月日
  • 身体的特徴、行方不明時の服装、所持品
  • 使用している可能性がある車、
  • その他関係資料(メモ・手紙・PCを印刷したものなど)

失踪当時の状況が分かるものがあれば、ここに書いていないものでもとりあえずは持参し、できるだけ具体的に失踪当時の様子が分かるようにしましょう。

⑤「行方不明者届」を出したらすぐに捜索してもらえるの?

手順を踏んで「行方不明者届」を無事提出できても、すぐに捜索してもらえるかは状況によってことなります。

「行方不明者届」を警察署で提出する際に、「誘拐などの事件性があるか?」「自分の意志で行方をくらませられるか?」「自殺などの恐れがあるか?」などの点から、「特異行方不明者」と「一般行方不明者」に選別されます。

もし「特異行方不明者」と判断されれば、すぐに捜索が行われますが、「一般行方不明者」として受理された場合は、特に捜索などは行われず、警察庁のデータベースに「行方不明者」としての情報が掲載され、家出人を保護した際やパトロールなどの際に、情報を照合して一致した場合に連絡が寄せられるようになります。


警察へ届け出を出しても、捜索してもらえるかは状況次第です。ただし警察署は全国にあり、何らかの情報が寄せられる可能性が十分にあるため、あきらめず届け出を出すことは大切です。警察の届け出や捜索を唯一の手段と考えるのではなく、並行して行う探す手段の一つと考えて行動してみてください。

探偵事務所に依頼する場合

探偵事務所では警察では積極的に捜索をしてもらえなかった、自分だけで捜索するのは難しいと感じた場合に利用しましょう。

➀どんな時に探偵事務所を利用するのが正解なの?

行方不明者探しでの探偵事務所への利用は、できるだけ早期に行うのが望ましいといえます。これは前述した行方不明者の捜索状況の数値を見てわかるように、どれだけ早期捜索できるかで発見率が大幅にかわるためです。

自分で捜索を行ってみて、それでも居場所が分からない場合に利用しようと考えるのも一つの方法ではありますが、自分で探すことと並行してプロへの捜索を依頼するほうが、効率は大きく上がります。

「費用が気になる」「そこまで大事にしたくない…」など様々な思いを抱えている場合でも、ほとんどの探偵事務所では無料相談を行っているため、悩む前にまずはこうしたプロの意見を聞いてみましょう。

②費用はどのくらいかかるの?

行方不明者を捜索する費用は、3万円ほどから100万円以上と一概にいくらということができません。これは、

  • 探している人物とどんな関係か?
  • 探したい人物の情報をどれだけ持っているか?
  • 探したい人物が自分で行方をくらませている可能性があるか?

などで、捜索の難易度が異なるためです。またこの他にも、探偵事務所によって取り入れている料金体系や捜索規模が異なることも、費用を一概に言えない原因となっています。

以下の記事では探偵事務所が取り入れている料金体系などについて、詳しい情報が載っているため、費用について知りたい場合は合わせて読んでおきましょう。


人探しを探偵事務所に依頼するのは、ハードルが高く感じられますが、実際には早期に相談を行い、依頼するかを後で検討するほうが、その後の後悔を減らすことができます。あの時もっと周りを頼っていたら、もっと他にやれることがあったんじゃないか?そんな気持ちを持たないためにも、ぜひ選択肢を多く持っておきましょう。

人探しに関する無料相談はコチラ

まとめ

家族や友人、恋人、大切な人の行方がわからないのは、心が張り裂けるような苦しみを伴います。ですが行方不明になった人を探すのは、常に時間との勝負です。

不安や焦りがあるのは当然ですが、ぜひパニックに陥ることなく、「どんな探し方をするべきか?」「自分たちにできる探し方は何か?」など常にベストな方法を考えながら、大切な人を見つけるために行動しましょう。