浮気に関係する遺伝子は?浮気を見抜く方法や対処法も解説

浮氣に関係する遺伝子は?浮気を見抜く方法や対処法も解説

パートナーの浮気は、多くの人にとって深い心の傷となります。なぜ浮気をしてしまうのか、その原因を知りたいと考える方も少なくありません。最近では、「浮気は遺伝子で決まる」という説を耳にすることも増え、浮気の原因を遺伝子のせいだと考える人もいるようです。

この記事では、浮気と関連があると考えられている遺伝子について解説するとともに、遺伝子だけでは浮気のすべてを説明できない理由を掘り下げます。さらに、探偵の視点から浮気を見抜く具体的な方法や、浮気が発覚した際の対処法についても詳しくご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 浮気に影響するといわれる遺伝子について
  • 浮気と遺伝子の関係性とそのほかの要因
  • 浮気を見抜く方法や浮気への対処法

浮気遺伝子と呼ばれる2つの遺伝子

浮気遺伝子と呼ばれる2つの遺伝子

近年、人間の行動や性格は遺伝子によってある程度影響を受けるという研究が進んでいます。浮気に関しても、特定の遺伝子が影響しているのではないかという説が提唱されており、その中でも特に注目されているのがAVPR1A遺伝子DRD4遺伝子です。これらの遺伝子が、浮気という行動にどのように関わっているのかを解説します。

AVPR1A遺伝子

AVPR1A遺伝子は、脳内で分泌されるホルモンであるバソプレッシンの受容体に関わる遺伝子です。バソプレッシンは、社会的絆や愛情形成、信頼感といった感情に深く関わるとされています。

スウェーデンのカロリンスカ研究所が行った研究では、このAVPR1A遺伝子のある特定のバリエーションを持つ男性は、パートナーとの関係の質が低い傾向にあり、結婚生活を送る上での問題や、浮気の経験が多いという結果が報告されました。

この研究は、この特定の遺伝子を持つ人が、そうでない人に比べて、より浮気しやすい傾向にある可能性を示唆しています。ただし、この遺伝子があるからといって必ずしも浮気をするわけではなく、あくまで傾向として捉えることが重要です。

遺伝子と行動の関係性は非常に複雑であり、育った環境や個人の価値観なども大きく影響します。この研究結果は、遺伝子が行動の一因となりうるという興味深い事実を提示していますが、浮気の原因をすべて遺伝子に帰結させるのは早計でしょう。

DRD4遺伝子

もう一つの浮気遺伝子として注目されているのがDRD4遺伝子です。この遺伝子は、脳内で快楽や報酬に関わる神経伝達物質であるドーパミンの受容体をコードしています。DRD4遺伝子にはいくつかのバリエーションがありますが、特に7Rと呼ばれる特定のバリエーションを持つ人は、新しい刺激や体験を求める傾向が強いとされています。

このような性質は、浮気や不倫といったリスクを伴う行動に駆り立てる一因となる可能性があります。ある研究では、このDRD4遺伝子の7Rバリエーションを持つ人は、そうでない人に比べて浮気の経験率が高いという結果が報告されました。これは、新しい恋愛や性的な関係を求める衝動が、ドーパミンの報酬系によって強化されるためだと考えられています。

しかし、この7Rバリエーションを持つ人が皆浮気をするわけではありません。新しい刺激を求める性質は、新しい趣味に挑戦したり、仕事で高い目標を達成したりするなど、ポジティブな方向に向かうことも十分にあり得ます。また、この遺伝子の影響は、個人の倫理観やパートナーとの関係性によっても左右されるでしょう。

環境や気持ちも大きな影響を与える理由

浮気の原因を遺伝子だけに求めることはできません。人間の行動は、遺伝子、環境、個人の心理状態など、さまざまな要因が複雑に絡み合って決まるものです。ここでは、遺伝子以外の要因が浮気に与える影響について詳しく見ていきましょう。

育った家庭・文化のちがい

幼少期に育った家庭環境は、その後の人間関係や恋愛観に大きな影響を与えます。例えば、両親が浮気や不倫を繰り返す家庭で育った場合、浮気に対する罪悪感が薄れる傾向があるかもしれません。また、特定の文化圏では浮気に対する許容度が高い場合もあり、文化的な背景が個人の行動を形成する一因となることもあります。育った環境や価値観が浮気のハードルを下げてしまう可能性は否定できません。

ストレスや自己肯定感との関わり

ストレスや自己肯定感との関わり

現代社会は多くのストレスに満ちており、仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなどから、心の安定を失う人が少なくありません。そうしたストレスから逃れるために、一時的な快楽を求めて浮気に走ってしまうケースがあります。また、自己肯定感が低い人は、浮気を通じて他者からの承認を求め、自分の価値を確認しようとすることがあります。

新しい相手から優しくされたり、褒められたりすることで、一時的に自尊心が満たされるため、浮気を繰り返してしまうのです。この場合、浮気の根本原因はパートナーとの関係性ではなく、自身の心理的な問題にあることが多いでしょう。

スマホやSNSの利用傾向

現代の浮気は、スマートフォンやSNSの普及によって、より手軽に行われるようになりました。マッチングアプリやSNSのダイレクトメッセージを通じて、簡単に新しい出会いを求めることができるため、浮気のきっかけが増えています。特に、SNSの利用者は増加傾向にあり、2022年の段階で1億200万人にも達しているほどです。(※1

また、パートナーにバレないように、浮気相手とのやりとりを秘密にできるツールも多く存在します。こうしたテクノロジーが浮気のハードルを下げ、衝動的な行動を助長している側面は無視できません。

浮気に影響するホルモン

浮氣に影響するホルモン

前述したように、遺伝子や環境だけでなく、人間の行動にはホルモンも深く関わっています。浮気と関連があるとされるホルモンについても把握しておきましょう。

バソプレッシン

バソプレッシンは、先ほどAVPR1A遺伝子の解説で触れたホルモンです。このホルモンは、パートナーとの絆や信頼感を形成する上で非常に重要な役割を果たします。特に男性の場合、バソプレッシンが脳内で活発に働くことで、特定のパートナーに対する忠誠心が高まり、一夫一婦制を維持する傾向が強まると考えられています。

バソプレッシンの分泌量や受容体の感受性が低いと、パートナーとの絆を感じにくくなり、浮気に走りやすくなる可能性があるでしょう。

テストステロン

テストステロンは、男性ホルモンとして知られていますが、女性にも分泌されています。このホルモンは、性欲や冒険心、攻撃性といった感情に関わるとされています。テストステロンの分泌量が多い人は、そうでない人に比べて、新しいパートナーを求める傾向が強いという研究結果もあります。

ただし、テストステロンの分泌量が多いからといって必ずしも浮気をするわけではなく、仕事やスポーツなどの他の分野でそのエネルギーが発揮されることもあるので誤解を避けましょう。

エストラジオール

エストラジオールは、女性ホルモンの一種で、恋愛感情や性欲に深く関わっています。エストラジオールの分泌量が多い時期は、特にパートナー以外の男性に魅力を感じやすくなるという研究結果もあります。

しかし、これもテストステロンと同様に、一概に浮気に直結するわけではなく、あくまで行動の一因となりうるという程度で捉えるべきでしょう。

遺伝子以外で浮気を見抜く方法

浮気の原因を遺伝子だけに求めることはできません。遺伝子で浮気を見抜くのよりも、パートナーの行動や言動の変化に注意を払うことが、現実的な方法です。ここでは、探偵が調査で注目する具体的な兆候をいくつかご紹介します。

スマートフォンとSNSの行動変化

スマートフォンとSNSの行動変化

現代の浮気において、スマートフォンは浮気相手との連絡手段として欠かせないツールです。そのため、浮気が始まるとスマートフォンの扱い方に変化が現れることが多い傾向にあります。以下の点に注目してみましょう。

  • 肌身離さず持ち歩くようになる
  • 画面を下向きに置く
  • SNSの利用状況の変化

肌身離さず持ち歩くようになる

以前はリビングのテーブルに置きっぱなしだったスマートフォンを、入浴時や就寝時、トイレに行く際にも常に持ち歩くようになった場合、注意が必要です。これは、パートナーに通知やメッセージを見られたくないという心理の表れです。

画面を下向きに置く

着信や通知の画面を、パートナーに見せないように伏せて置くようになった場合も警戒すべき兆候です。特に、特定の相手からの通知を隠そうとする心理が働いている可能性があります。

また、これまでパスワードを設定していなかったのに急にロックをかけるようになったり、指紋認証や顔認証を導入したりした場合、隠したいことがあると考えられます。また、パスワードを頻繁に変更する場合も同様です。

SNSの利用状況の変化

InstagramやLINEなどのSNSで、急に特定の相手とのやりとりを削除したり、通知をオフにしたりする。また、以前は積極的に投稿していたのに、急に投稿頻度が減る、あるいは不自然に増えるといった変化も浮気の兆候かもしれません。

生活習慣の急な変化

浮気が始まると、時間やお金の使い方にも変化が表れます。これは、浮気相手と会う時間や、デートにかかる費用を捻出する必要があるためです。例えば、以下のような変化が現れていないかを確認してみましょう。

  • 帰宅時間が遅くなる・残業が増える
  • 不自然な出費の増加
  • 趣味や友人の変化

帰宅時間が遅くなる・残業が増える

仕事が忙しくなったわけでもないのに、帰宅時間が遅くなる場合も浮気が疑われます。以前はなかったはずの休日出勤が増えるケースは注意しましょう。特に、金曜日の夜や休日に外出することが増えた場合は注意が必要です。

不自然な出費の増加

クレジットカードの利用明細に、見慣れない場所(ホテル、レストラン、プレゼントなど)での支払いが増えることがあります。また、現金の持ち歩きが増え、その使途を曖昧に説明する場合も警戒すべきです。

趣味や友人の変化

急に新しい趣味を始めたり、今まで知らなかった新しい友人と遊ぶようになったりすることも浮気の兆候です。「会社の付き合い」など、あいまいな理由で外出することが増える場合も注意が必要です。

パートナーとのコミュニケーションの変化

浮気をしているパートナーは、罪悪感や関心の低下から、あなたとのコミュニケーションの取り方が変化することがあります。以前はたくさん話していたのに会話が明らかに減った、また、あなたから質問しても「別に」「普通」といった素っ気ない返事が増えた場合は注意が必要です。また、あなたの話に上の空で、スマートフォンばかり見ているといった変化も兆候のひとつです。

スキンシップや性的な接触が明らかに減る、あるいは拒否されることが増えることも重要な兆候です。これは、浮気相手に夢中になっているか、あなたに対して罪悪感を感じている可能性があります。

外見や身だしなみの変化

外見や身だしなみの変化

浮気が始まると、浮気相手に気に入られようとする心理から、外見や身だしなみに変化が現れることがあります。例えば、急にこれまでとは違うテイストの服を着はじめることがあるでしょう。特に、派手な色やデザインの服が増えたり、新しい下着を頻繁に購入したりする場合、浮気相手に良く見られたいという心理が働いている可能性があります。

また、見慣れないプレゼントや、高価な香水、小物が増えることも兆候のひとつです。また、これまでつけていなかった香水の香りがするようになる場合も注意が必要です。さらに、急にジムに通い始めたり、ダイエットを始めたりすることも、浮気相手に魅力的に見られたいという心理が働いている場合があります。

パートナーの浮気の兆候に気づいたときの対応

パートナーの浮気の兆候に気づいたとき、感情的になるのは当然です。しかし、感情的に問い詰めてしまうと、相手は証拠を隠蔽したり、嘘をついたりする可能性が高まり、事態はさらに悪化します。ここでは、探偵として推奨する冷静な対応方法について解説します。

冷静さを保つ

浮気の兆候に気づいたとき、まず重要なのは冷静さを保つことです。感情のままに行動するのではなく、まずは事実を淡々と観察し、状況を把握することに努めましょう。感情的に問い詰める前に、本当に浮気をしているのか、どのような状況なのかを冷静に判断する必要があります。

感情的になってしまうと、証拠を集め終える前にパートナーを責めてしまい、関係が悪化しかねません。

感情を整理する時間を設ける

浮気の兆候を察知した直後は、怒りや悲しみといった強い感情に襲われるものです。そのような状態でパートナーと向き合っても、冷静な話し合いは難しく、感情的な衝突に発展してしまいます。まずは、一人になる時間を作り、自分の感情を紙に書き出してみるなどして、気持ちを整理しましょう。

情報を集める期間と割り切る

パートナーを問い詰めるのは最後の手段と考え、まずは「情報を集める期間」と割り切ることも大切です。この期間は、探偵のように冷静な観察者として、パートナーの行動や言動を記録することに徹しましょう。このプロセスを通じて、感情的な衝動を抑え、客観的な事実に基づいた判断ができるようになります。

証拠を集める

証拠を集める

感情的に問い詰める前に、証拠を集めることが非常に重要です。浮気の証拠は、今後の対応を考えるうえで欠かせません。民法第770条1項では、裁判上の離婚原因として「配偶者に不貞な行為があったとき」が挙げられています。(※2)ここでいう「不貞な行為」とは、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを指します。この事実を証明するためには、法的に有効な証拠が必要となります。以下のような証拠を収集しましょう。

  • 写真や動画
  • メールやSNSのやりとり
  • レシートや明細

特に肉体関係が分かる写真や動画は強い効力を発揮するでしょう。

証拠を集める際は法律に注意

証拠を集める際はさまざまな法律に注意が必要です。例えば、証拠を集めようと浮気相手の自宅敷地に入ってしまうと住居侵入罪にあたる可能性があります。(※3)また、浮気が事実であっても、周囲に吹聴する行為は名誉棄損になりかねません。(※4

浮気の証拠収集に関わる法律はさまざまあります。証拠を得ることに夢中になり、知らないあいだに法に抵触してしまう可能性もあるでしょう。そのため、自力で臨むのではなく、専門的な知識を持つ探偵への依頼がおすすめです。探偵であれば適切な方法で効力のある証拠を収集してくれます。

浮気は遺伝子ではなく普段の行動から見抜こう

浮気と関連があるとされる遺伝子として、AVPR1AとDRD4が挙げられます。これらの遺伝子は、浮気の傾向に影響を与える可能性はありますが、浮気のすべてを決定づけるものではありません。育った環境、心理的な問題、社会的な要因など、複数の要素が複雑に絡み合って浮気という行動につながります。

浮気を見抜くためには、遺伝子診断をするのではなく、パートナーの行動や言動の変化に注意を払うことが現実的です。スマートフォンや生活習慣、コミュニケーションの変化など、具体的なチェックポイントと照らし合わせてみましょう。もし浮気の兆候に気づいた場合は、感情的にならずに冷静に対応し、法的に有効な証拠を収集しましょう。