恋人・婚約者の婚姻歴を調べる5つの方法と知っておきたい戸籍の知識

順調に交際が進み、いざ結婚するとなると「この人と結婚して幸せになれるだろうか?」「結婚を後悔するような事実を隠していないだろうか?」と感じるのは不思議なことではありません。

今回は人生を大きく左右する決断の前に、相手の婚姻歴(離婚歴)を調べるにはどんな方法があるの?相手の婚姻歴を調べる前に知っておきたいこととは?という内容を紹介していきます。

結婚は人生の大きな分岐点の一つです。だからこそ正しい知識を得て、後悔しない幸せな家庭を手に入れてください。

婚姻歴(離婚歴)を調べる5つの方法

結婚はお互いにとって、人生の中で行う大きな決断の一つです。

だからこそ、交際の段階で相手の個人情報である「婚姻歴(離婚歴)」を調べるにはどんな方法があるのでしょうか?

①戸籍謄本を見せてもらう

婚姻歴を知る最も確実で簡単な方法は、相手から自主的に戸籍謄本を見せてもらうことです。

婚姻届けの提出には、各々の戸籍謄本が必要となるため、この制度を利用して婚姻届けを出す前に、お互いの戸籍謄本を見せ合うことを提案してみましょう。

もしあなたの前に婚姻歴がある場合は、戸籍の欄に婚姻の事実と離婚の事実が記載されています。ただ実は戸籍謄本を見ただけで、離婚歴については安心してよいというわけではありません。

「転籍」や「分籍」といった方法で、実際には婚姻歴があるにもかかわらず、現在戸籍謄本の上では婚姻歴を隠すことが可能です。その点は、婚姻歴を調べる前に知っておきたいことで詳しく解説していくため、合わせてそちらも読んでおきましょう。

②交際相手や両親の反応を見る

交際相手の婚姻歴について疑問がある場合、両親の反応を観察するのも疑問を解消する一つの方法です。

例えば結婚の挨拶の際に、もし相手に対して気になることがある場合は、「お互い初めての結婚で不安も多いですが、支え合って頑張っていきます」など自然な流れで、初婚であるという発言に対しての両親の反応を確認してみましょう。

特に不自然なところはなく、感極まっていたり、喜んでいるようなら可能性は低いのですが、よそよそしい態度であったり、苦笑いになってしまっていたりと、違和感が残る感触だとしたら、疑念を抱く必要があるかもしれません。

直接両親に聞いてみるという方法もありますが、特に相手にやましいことがない場合は疑いをかけたという点で、相手の両親の不興を買ってしまう可能性があります。今後の関係性を悪くしないためにも、まずは直接的な言葉を避け、反応だけを見るようにしてみましょう。

③交際相手の友人と会ってみる

両親の反応に関して違和感があったり、交際相手に対して疑問が残る場合は、交際相手の友人にも探りを入れてみましょう。

ただこちらの場合も、友人を通じて交際相手に婚姻歴について疑っていることがバレてしまえば、関係にひびが入る可能性があるため慎重な対応が必要です。

例えば結婚式について憧れているのに、なぜか相手が消極的で疑問を感じる場合「結婚式をしたがらないんだけれど、いい説得方法はないかな?」など気になる部分について相談してみて反応を伺ってみましょう。

交際相手に婚姻歴がある場合、すでに1度結婚式を挙げているなら、2度目の結婚式には費用面や外聞から拒否感を持つ場合があります。実際に明確な回答を得られないとしても、友人の反応や会話の間を見るだけでも、本格的な調査に乗り出すかの判断材料のひとつとなるでしょう。

④結婚式の夢を語ってみる

友人や両親に話を聞くのが難しい場合は、結婚式に対しての交際相手の反応を見るといった方法もあります。

もし相手が再婚なら、すでに1度式を挙げている場合があり、2度目の結婚式となると招待客への気まずさや、恥ずかしさから消極的な態度になりがちです。

ただ最近は費用の面や、合理性を重視するカップルも多く、結婚式について消極的というだけで婚姻歴があると断定できるわけではありません。しかし結婚式について相手がどのように感じているかや、招待客について会社関係を極端に嫌がるなど不自然な部分がある場合は、疑問を抱く一つの根拠として考えてみてもいいでしょう。

⑤プロに相談する

婚姻関係を結ぶ前に、どうしても確実な事実を知りたい場合は、探偵事務所といったプロに相談することも検討してみましょう。

恋人や婚約者であっても、戸籍謄本を勝手に入手することは違法となります。そのうえ仮に戸籍を見せてもらえても「分籍」「転籍」といった方法をとれば、書類上は婚姻歴を隠せるため、素人が確実に婚姻歴を調べるというのは非常に困難です。

探偵事務所の場合は、張り込みの調査、尾行調査、周辺の聞き込み調査を行い、交際相手の周辺情報を詳しく探ることで、離婚歴を含めた詳しい素性を探ることができます。

どうしても違和感がぬぐえない、絶対に結婚で後悔したくないといった場合は、費用はかかりますが相手へのバレるリスクも少なく、事実が分かるプロへの相談という選択肢も持っておきましょう。

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このように相手の婚姻歴を調べる方法を具体的に考えていくと、実は交際期間中はプロの探偵事務所に頼む以外に、確実な婚姻歴を調べる方法はないということがわかります。

このためもし「交際相手に引っ掛かることがある」「もやもやした気持ちから抜け出せない」といった場合は、どこに引っ掛かっているのか?どのくらい本気で真実を確かめたいのか?を自分に問いかけ、どの選択が最善かをしっかり考えてみましょう。

婚姻歴(離婚歴)を調べる前に知っておきたいこと

交際相手の婚姻歴を調べるのは、素人では非常にハードルが高いということが分かったところで、それではなぜこれほどまでに婚姻歴(離婚歴)を知ることが難しいのでしょうか?

ここからは婚姻歴を調べる前に知っておきたい、戸籍という制度や婚姻歴の隠し方についてみていきましょう。

戸籍を勝手に取得するのは違法

まず知っておきたいのが、恋人関係や婚約者の場合でも、相手に許可なく戸籍を取得するのは違法という点です。

戸籍を取得できるのは、「本人、配偶者、直径接続(祖父母、父母、子、孫)」に限られ、本人の許可を得た委任状がなければ婚約者や交際相手の段階では相手の戸籍を取得することはできません。

そのため代理人などと偽り、委任状を偽造したうえで戸籍謄本を入手した場合は「戸籍法違法」や「偽造有印私文書行使」の罪に問われる可能性があります。

こういった点から、交際期間中に合法的に本人に知られることなく戸籍謄本を取得するのは不可能となり、結婚前に婚姻歴を調べることへのハードルが上がるのです。

戸籍謄本は「転籍」「分籍」で離婚歴を隠せる

次に知っておきたいのが、「転籍」や「分籍」によって新しい戸籍になった場合は、「現戸籍謄本」では婚姻歴が引き継がれることがないという点です。

結婚すると両親の戸籍から抜け、夫婦で新しい戸籍を作ることになります。

そして離婚をすると、戸籍筆頭者の場合は配偶者が除籍された記録が戸籍に残ります。配偶者の場合は、元の両親の戸籍に戻ると一度戸籍を出た記録と、再度戸籍に入った記録が残ることになります。

しかし転籍や分籍により新しい戸籍を作った場合は、以下の事項が引き継がれることはありません。

第三十七条 戸籍法第百八条第二項の場合には、届書に添附した戸籍の謄本に記載した事項は、転籍地の戸籍にこれを記載しなければならない。但し、左に掲げる事項については、この限りでない。(中略)
三 戸籍の筆頭に記載した者以外で除籍された者に関する事項
四 戸籍の筆頭に記載した者で除籍された者の身分事項欄に記載した事項

(引用:法令検索・戸籍法施行規則第37条より)

つまり「転籍」を行った場合、除籍された元配偶者の記載が引き継がれないのです。「分籍」の場合も同じように新しい戸籍を作ることになるため、両親の戸籍から出た記録や戻った記録が引き継がれることはありません。

このため転籍・分籍を行った場合、婚姻歴(離婚歴)を消せるといった表現をされてしまうのです。

転籍は自由に行える

離婚歴を隠すために「転籍」といった方法があることが分かったところで、例えばずっと転居していなかったり、親元にいる場合は住所が変わっていないので転籍を行えないのでは?と感じるかもしれません。

しかし住所が存在する場所なら日本全国どこでも、転籍することは可能です。

例えば東京に住んでいても、甲子園が大好きだから「兵庫県 西宮市 甲子園町 1番 」の阪神甲子園球場に本籍地を置いていたり、他にも皇居などが人気の本籍地となっています。

転籍すると相続などの際に手間が増えたり、遠方にしてしまうといざ戸籍謄本が必要な時に取得が面倒になるといったデメリットはありますが、転籍する場所や回数に制限はないため、婚姻歴を隠すために意図的に転籍を行うことは制度を知っていれば難しくはないのです。

離婚歴などを確実に知りたい場合は「原戸籍謄本」「除籍謄本」を確認する

ここまでの戸籍の制度を知ると、「戸籍を調べたところで、転籍や分籍をしているならわかりようがない…。」と感じてしまうかもしれません。

しかし実は、戸籍の中でも「原戸籍謄本(改製原戸籍謄本)」や「除籍謄本」では、婚姻歴を隠すことはできません。

原戸籍とは、戸籍に関する法改正が行われた前の戸籍のことで、具体的に明治5年の戸籍法が施行されて以来5回(コンピューター化がされていない市町村では4回)様式の変更があり、そのたびに「原戸籍」が変更前の戸籍として保管されています。

除籍謄本とは結婚や死亡、離婚などで戸籍の中に誰もいなくなってしまった戸籍を指します。例えば両親と子一人の戸籍の場合、子どもが結婚し戸籍から出ていくと、戸籍には両親のみが残され、両親が死亡すればその戸籍には誰もいなくなり、これが「除籍謄本」として保存されることになります。

 

こうして戸籍の仕組みを知っていくと、交際期間中は自分の過去を隠し通すことができたとしても、結婚し籍を入れると合法的に「除籍謄本・改製原戸籍謄本」を入手でき簡単に秘密がバレるということがわかります。

だからこそ、もし結婚を考える相手に何か疑問や疑惑がある場合は、結婚したらすぐに事実がバレてしまうこと、今真実を話すことと後から自分が調べてバレること、どちらが今後の結婚生活に良いか?を話し合うことで、お互いに納得できる話し合いのきっかけを作ることができるかもしれません。

まとめ

結婚という大きな一歩を踏み出そうとしているからこそ、共に未来を歩いていく相手に隠し事はないか?不安な要素はないのか?と悩んでしまうのは、あなた自身が将来について真剣に考えている証拠です。

ただ実際に婚姻歴を調べようとすると、一番確実な戸籍謄本は恋人や婚約者といった関係性では取得は難しく、仮に見ることができたとしても相手が婚姻歴について意図的に隠そうとしている場合は、見破りにくいのが現状です。

ですが制度を正しく理解していくと、交際期間中は真実を知ることはあれほど難しかったにもかかわらず、婚姻関係を結べば嘘は簡単に見破れるという側面も知ることができます。

こういった事実を踏まえて、疑問がある場合は相手とどう向き合えば真実を語ってくれるか考え、話し合うことで不安や疑念を解消し、幸せな結婚生活を掴み取ってください。