転籍や分籍で婚姻歴が隠せるというのは本当ですが、過去の離婚歴を完全に消し去ることはできません。 戸籍制度の仕組みや婚姻歴の調べ方などについて解説しています。
「転籍や分籍をすれば、元の結婚歴は消える」という話を聞いたことはありませんか?
実は、日本の戸籍制度には一定の「抜け穴」が存在し、現在の戸籍謄本だけでは婚姻歴が表示されないケースがあるのは事実です。交際相手の離婚歴が気になっている方、結婚前に確認しておきたい方にとって、これは非常に重要な問題です。
この記事では、「婚姻歴(離婚歴)は隠せる」といわれるその仕組みを紹介するとともに、婚姻歴を調べる5つの方法や調べる前に前に知っておきたい注意点を詳しく解説します。
- 転籍・分籍によって婚姻歴が「見えなくなる」仕組み
- 婚姻歴を調べる5つの方法とそれぞれの現実的な限界
- 戸籍謄本の種類と正しい取得方法・注意すべき違法行為
婚姻歴(離婚歴)が「隠せる」といわれる仕組み

「婚姻歴は隠せる」といわれる理由は、日本の戸籍制度にある「転籍」「分籍」によって新しい戸籍を持てることが関係しています。
転籍・分籍とは何か
戸籍には「転籍」と「分籍」という2種類の手続きがあります。転籍とは、戸籍の本籍地を別の市区町村に移す手続きのことです。夫婦・家族単位で本籍を移すことができ、費用もかからず、特別な理由も必要とされません。
分籍とは、成年に達した人が親の戸籍から独立して、単独の戸籍を新たに作る手続きです。18歳以上の成人であれば、親の承諾がなくても単独の新しい戸籍を取得できます。また、分籍後の本籍地は、国内で住所が存在する場所であれば自由に決めることができます。
転籍・分籍後の戸籍には婚姻歴は記載されない
転籍・分籍手続き後に発行される戸籍謄本には、出生の記録と従前戸籍(婚姻前の戸籍)しか記載されません。(※1)つまり、転籍や分籍を繰り返すことで、現在の戸籍謄本からは過去の婚姻歴が「見えない」状態になり得るのです。これが「婚姻歴は隠せる」と言われる理由です。
婚姻歴を確実に把握するためには、現在の戸籍謄本だけでなく、より深い書類を辿る必要があります。
「原戸籍」「除籍」なら婚姻歴がわかる
戸籍には「現在戸籍(全部事項証明)」「改製原戸籍(かいせいげんこせき/はらこせき)」「除籍」の3つがあり、前述のとおり、転籍・分籍をすることで現在の戸籍謄本から婚姻歴を消すことが可能です。しかし、原戸籍謄本と除籍謄本には改製前に除籍した戸籍の情報が記載されているため、婚姻歴・離婚歴を確認できます。
原戸籍(はらこせきとうほん/げんこせきとうほん)とは、戸籍の改製(法改正に伴う様式変更)が行われる前の、旧形式の戸籍のことです。転籍・分籍を経ても、原戸籍には婚姻・離婚に関する記載は残ります。
除籍とは、婚姻・死亡・転籍などにより全員が除籍となり、閉鎖された戸籍の記録です。離婚後の記録や、転籍前の本籍での婚姻歴がここに残ります。
これらの書類を遡って取得できれば、たとえ転籍・分籍を繰り返していたとしても、過去の婚姻・離婚の記録を確認することが可能です。「原戸籍謄本や除籍謄本まで見れば婚姻歴は隠し切れない」というのが、戸籍制度の実態です。
なお、戸籍の保存期間は除籍謄本の場合150年と定められており(平成22年の法改正による)、ほとんどのケースで過去の記録は辿れる設計になっています。
他人の戸籍を勝手に取得するのは違法
重要な注意点として、他人の戸籍謄本を本人の同意なく取得することは「不正請求」にあたり、違法行為です。戸籍法第133条の規定により、正当な理由なく他人の戸籍を不正に取得しようとした場合は罰則の対象となります。(※2)
弁護士・司法書士などの士業者であれば職務上請求が可能ですが、一般の方が第三者の戸籍を無断で取得することはできません。
「調べたいから」という理由だけで動いてしまうと、法的な問題が生じるリスクがあります。合法的な方法での調査を選ぶことが、結果的に自分自身を守ることにもなります。
婚姻歴(離婚歴)の5つの調べ方と現実的な限界
結婚は人生において大きな決断の一つです。「相手の過去を知りたい」「なにか大切な事実を隠してはいないか」と思うことは、2人の将来を真剣に考えている証拠でもあります。
ここでは、恋人や婚約者の婚姻歴を調べる方法を5つ紹介します。
原戸籍謄本や除籍謄本を見せてもらう
最も直接的な方法は、相手本人に戸籍謄本を見せてもらうことです。婚約段階であれば「お互いの身元を確認しあおう」という形で提案しやすい場面もあります。ただし、前述のとおり、転籍・分籍後の現在の戸籍謄本には婚姻歴が記載されていない場合があるため、原戸籍謄本や除籍謄本を提示してもらう必要があります。
しかし、現実的に考えると、相手にそこまで求めるのは難しいのも事実です。場合によっては関係性が悪くなる可能性もあるため、慎重に行動しなければなりません。
両親・家族の反応を観察する

相手の家族と会話する機会があれば、さりげなく過去の話題を振ってみることも有効です。家族は無意識のうちに情報を漏らすことがあります。ただし、この方法には大きな限界があります。家族ぐるみで婚姻歴を隠す意図がある場合には機能しませんし、そもそも相手家族と接する機会自体が限られるケースが多いでしょう。
あくまで補助的な情報収集として位置づけるべき手段です。
友人から探りを入れる
共通の友人や、相手の旧友に自然に話しかけ、過去の恋愛歴・結婚歴に関する情報を集める方法です。しかし、情報が相手に筒抜けになる可能性があること、また友人も正確な情報を持っているとは限らない点には注意が必要です。「なんとなくそう聞いた」程度の情報では、確証にはなりません。
結婚式の話を振って反応を見る
「結婚式はどんな式がいい?」「式場はどこがいいと思う?」など、結婚式にまつわる話題を何気なく持ち出してみる方法です。初婚者と経験者では、話の反応や知識の深さに違いが出ることがあります。ただし、相手が慎重な人物であれば反応だけでは判断がつかず、確実性は低い方法といえます。あくまで「感触を確かめる」ための補助的手段として捉えておきましょう。
探偵事務所に相談する
上記の方法はいずれも、確証を得ることの難しさという共通の限界があります。相手が意図的に婚姻歴を隠そうとしている場合、自力での確認はほぼ不可能です。
探偵事務所(興信所)では、身辺調査の一環として婚姻歴に関する情報を合法的・専門的な方法で調査できます。独自のデータベースや調査ネットワークを活用し、個人での調査には限界がある場合でも有効な情報を得られる可能性があります。「一人で悩み続けるよりも、プロに相談する」という選択肢をぜひ検討してみてください。
婚姻歴を隠し通すことができるのか?

「もしかして、過去に結婚していたのでは……?」そんな違和感を抱えながら過ごす時間は、非常に孤独で不安なものです。結論から言うと、婚姻歴を完全に隠し通すことは事実上困難です。なぜなら、婚姻届を提出し、夫婦として新たな戸籍を作る過程で、過去の「除籍謄本」や「改正原戸籍」を辿れば、配偶者の過去の婚姻歴を確認できるからです。
しかし、問題は「いつ判明するか」です。結婚後に事実を知り、「裏切られた」という気持ちを抱えて生活していくのか、結婚前に真実を確かめ、納得した上で人生の決断を下すのか。この差は、あなたの今後の人生において極めて大きな意味を持ちます。
婚姻歴の不告知がもたらす「法的リスク」と「現実」
離婚歴があること自体は、現代において決して珍しいことではありません。しかし、それを「意図的に隠していた」となると、話は別です。 「怒りを感じる」だけでなく、実際に法的手段を検討する方もいるでしょう。
日本の民法では、離婚歴の不告知だけでは、直ちに「婚姻の取消し」が認められるケースは稀です。しかし、以下のような場合は「不法行為」として慰謝料請求の対象となる可能性があります。
- 「初婚である」と積極的に嘘をついていた
- 前妻(夫)との間に子供がおり、養育費の支払いがあることを隠していた
- 現在も離婚が成立しておらず、実は「重婚」状態であった
離婚歴よりもさらに深刻なのは、相手が現在も法的に婚姻中のケース(重婚)です。重婚は刑法上の犯罪(刑法第184条)であり、婚姻は無効となります。(※3)
婚姻歴より「なぜ隠すか」の方が重要
大切なのは、婚姻歴の「有無」そのものよりも、「なぜ隠す必要があったのか」という動機です。探偵の結婚調査・身辺調査の事例では、姻歴を隠す人は、借金や異性関係など、別の重大な事実を隠しているケースも少なくありません。
単なる見栄や「嫌われたくない」という心理であれば、話し合いで解決できるかもしれません。しかし、以下のようなケースでは、婚姻歴の有無だけでなくその背景にある事情まで把握することが非常に重要です。
- DVやモラハラが原因で離婚しており、その性質を隠している
- 経済的な問題(多額の慰謝料など)を抱えている
- 複数の異性とのトラブルを繰り返している
こうした背景を知らずに家族になることは、あなたの将来を大きなリスクに晒すことと同義です。
疑問を持ったら話し合いを促すアドバイス
「怪しいと思いつつ、問い詰めて関係が壊れるのが怖い」 そう思うのは、相手を大切に想っている証拠です。しかし、疑念を抱いたまま一生を共にするのは、あまりにも過酷な道のりです。まずは相手との率直な対話を試みてみましょう。
責めるような言い方ではなく、「将来のために、お互いの過去をクリアにしたい 」という姿勢で話し合いの場を設けることが大切です。それでも相手が開示を拒む、あるいは答えが矛盾している、という場合には、専門家への相談を視野に入れましょう。感情的に動く前に、事実を正確に把握することがその後の判断を助けることになります。
事実を確認して信頼できる未来へ
転籍・分籍により現在の戸籍謄本では婚姻歴が見えにくくなる場合がありますが、原戸籍謄本・除籍謄本を辿れば記録は残っており、完全には隠し切れません。また、婚姻歴を隠して結婚することには法的なリスクも伴い、発覚した際の信頼関係への影響は大きなものになります。
自力での確認には法的・現実的な限界があるため、不安を感じたら早めに専門家へ相談することをおすすめします。
さくら幸子探偵事務所では、交際相手や婚約者の身元・婚姻歴に関する調査を秘密厳守・法令遵守のもとで承っております。まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

