公務員の浮気はリスクが高い?具体的な処分と浮気の3つの対処法

安定した仕事の代表格といえる公務員。

だからこそ、浮気や不倫が発覚したらどうなるの?民間の仕事より厳しい処分が下されるのでは?と疑問が浮かびますよね。

そこでこの記事では、公務員が浮気をすると具体的にどんな処分が下されるの?もし公務員の配偶者が浮気をしたら、どうすれば良いの?そもそも、なぜ公務員の浮気が多いといわれているの?といった公務員の浮気についての様々な疑問を解説していきます。

公務員が浮気をしたら具体的にどうなるの?

公務員は国民から集めた税金で給与が支払われているため、もし不倫や浮気などのスキャンダルがあった場合、民間に比べどんな処分が下されるのか気になりますよね。

そこで公務員が不倫した場合、具体的にどんな処分が下る可能性があるのかを確認していきましょう。

職務専念義務違反で処分を受ける可能性

公務員が浮気で処分を受ける場合、一番に考えられるのが地方公務員法30条・35条、国公法では第101条に定められている「職務専念義務違反」が挙げられます。

職員は、法律⼜は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意⼒のすべてをその職責遂⾏のために⽤い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。(引用:国公法第101条

これは国家公務員や地方公務員は、勤務を果たすことで国民全体に奉仕者としての責務を果たし、勤務中は全力で職務に専念しなくてはならないという決まり事です。

例えば実際に職務専念義務違反とされた実例は、

  • 勤務中にも関わらず約30回にわたって公用車を私用で使った→停職処分
  • 勤務中に私用でスマホやパソコンを使って株価のチェックや旅行情報を得ていた→減給処分

こういった事例があることから、例えば職務の一環である出張中に同僚と不適切な関係を持つと、職務専念義務違反に抵触する可能性があり、結果として懲戒免職まではいかなくとも、戒告、減給、停職という処分を受ける可能性があります。

信用失墜行為禁止の違反で処分を受ける可能性

公務員の浮気で処分を受けるもう一つの可能性が、国公法第99条で定められている「信用失墜行為の禁止」の条項です。

職員は、その官職の信⽤を傷つけ、⼜は官職全体の不名誉となるような⾏為をしてはならない。(引用:国公法第99条

国家公務員や地方公務員には、非違行為を行うことで職員本人だけでなく職場全体が信用を落としたり、公務全体に悪影響を及ぼし信頼を失ってしまう行為を禁止しています。例えば、

  • SNSなどに職務遂行に支障をきたしかねない不適切な発言をしたり、差別的な内容を投稿した→減給処分
  • 酩酊状態で帰宅途中に通行人とトラブルになり怪我を負わせた→減給処分

この処分事例を見てわかるように、信用失墜行為の禁止には職務中だけでなく勤務時間外の私生活においても、倫理的に逸脱した行為を禁止しているということがわかります。

実際に公務員の中でも、国民の目が最も厳しい警察官の不倫スキャンダルでは、メディアで大々的に報じられてしまい、結果的に両者が懲戒免職といった最も重い処分が下された事例もあります。

不倫や浮気で懲戒免職(クビ)の可能性はあるの?

警察官を除き、公務員が不倫や浮気で懲戒免職になることはほぼありません。

公務員の服務規定違反による懲戒は4種類に分かれており、戒告、減給、停職、免職の順に罰が重くなり、実際にクビといわれる状態は、免職に相当し一般的には懲戒免職と呼ばれています。

実際の国家公務員を対象にした処分内容は府省別に毎年公開されており、「平成31年・令和元年における懲戒処分の状況について(参照:人事院)」によると令和元年の懲戒免職の処分者数は約28万人の職員に対したった26人。

このうち不倫が含まれる処分事由は「公務外非行関係」の11人で、しかもこの事由は主に窃盗・暴行などが含まれているため、仮に不倫が原因で懲戒免職になった者がいたとしても28万人の職員に対し1年でたった0人~1人ということになります。

このように具体的な数字を見てみると、不倫や浮気といった事由でクビに相当する懲戒免職になることは、現実的にはほぼないという事実を読み取ることができます。

公務員の職業別浮気のリスクを紹介

具体的な処分がわかったところで、公務員の中でも職種によってリスクの違いはあるのでしょうか?

公務員とひとくくりにしても、主に財務や法務などを担当する国家公務員や教師や市役所職員など、私たちの生活に密着している地方公務員などその職種や仕事内容はさまざまです。

そこで公務員の中でも浮気しやすい、不倫が多いと言われる警察官・教師・消防士の3つの職業についてそれぞれに浮気のリスクを考えていきます。

警察官の浮気の場合

公務員が浮気をした場合、最も重い処分が下される可能性があるのが警察官や警察職員の浮気です。

警察官は公務員の中でも人々の生命や安全を守り、国民の範となる役目を負っているとされているため、結果的にプライベートなことであっても職場に不倫や浮気がバレてしまえば、状況によっては厳しい処分を受ける可能性が高まります。

警察庁では異性関係での処分者について、上半期・下半期に人数を公表しておりこういった面だけを見ても、警察官が公務員の中でも少し違った立ち位置にいることがわかります。

教師の浮気の場合

警察官と同様に重い処分が下される可能性があるのが、教師の浮気や不倫です。ただ教師の場合は、浮気した相手が誰だったのか?という点が特に注目されます。

実際に東京都教育委員会では「教職員の主な非行に対する標準的な処分量定(引用:東京都教育委員会)」で重い処分が下される事例として、教師と保護者の浮気の場合は、免職・停職・減給の3つの可能性が示唆されています。

教員の不倫事情 なぜ教員は不倫や浮気に走ってしまうのか?教師が不倫する3つのキッカケとは!?

消防士の浮気の場合

公務員の中でも頼りがいがあり、爽やかな印象が強く女性に人気の仕事が消防士です。

モテる仕事のため消防士は浮気や不倫が多いと噂されていますが、こちらは教師や警察官とは異なり、同じように地方公務員法に準ずることになりますが、それでも2つに比べれば処分の可能性が低いといえます。

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こうしてみると、ひとくくりに公務員といっても、それぞれ従事している仕事によって浮気のリスクが異なることや、タブーとなってしまう組み合わせが見えてきます。

公務員には浮気や不倫が多いといわれる3つの原因

公務員の中でも、警察官や教師、消防士などモテる仕事は、発覚時のリスクが高いにも関わらず、浮気や不倫が多いという噂が流れていますが、それは主に3つの原因によるものです。

  • 安定した職業であり結婚相手として人気だから
  • 職種によっては出張が多く、数年ごとに転勤や単身赴任があり時間や環境の隙が多いから
  • 職場や労働環境によっては誘惑が多いから

高身長、高収入、高学歴といった3高が人気だった一昔前に比べて、現在は平均的な収入、平凡な外見、平穏な性格といった3平が婚活市場において高い支持を得ており、公務員はそんな平穏を望む女性にとって非常に魅力的な仕事です。

また公務員だけでなく不倫の大きな原因となる、頻繁な出張や長期の単身赴任も、職種によっては多く浮気する隙を作りやすくなります。

そして生涯雇用を基本とする仕事だからこそ、消防士や自衛隊といった体育会系で上下関係が厳しい職場の場合、既婚や恋人がいても職場のノリで合コンや飲み会の誘いを断りにくく、結果浮気につながる相手との出会いの機会がふえてしまうのです。

もし公務員の配偶者が浮気をしたらどうすれば良いの?

公務員は職業柄浮気や不倫のリスクが高いにも関わらず、誘惑も多いということが分かったところで、公務員である妻や夫に、もし不倫の兆候が現れたら、配偶者はどんなことに気をつけ、どう動けばいいのでしょうか?

①まずは確かな証拠集めを行う

公務員であるパートナーに不倫の兆候が現れたら、まずは確かな証拠を集めてください。本当に浮気をしているのか?浮気をしているなら相手は誰なのか?

確かな証拠で事実を正確に確認することは、今後のあなた自身の将来を決めるために必ず必要となります。

そして確かな証拠が出そろったら、そこで初めて「この事実を見て、どうしたいのか?」を自分の心に問いかけてみましょう。

もし職場や本人に悟られずに証拠を集めるのが難しいと感じた場合は、探偵事務所などのプロの力を借りることも検討してみてください。

②職場にバラすことは避けよう

特に配偶者が公務員なら、あなた自身のために職場に浮気の事実をバラすといった行為は避けましょう。

パートナーに浮気をされると、絶望的な気分になり、相手の立場や仕事などすべてを破壊したいと感じてしまうかもしれません。

しかし公務員の場合は、停職・減給などの民間の仕事より重い処罰が下るだけでなく、職場に不祥事が知られたことにより居づらくなり、自主退職に追い込まれるという可能性も考えられます。

職場に不倫の事実をばらすと名誉棄損で逆に訴えられてしまったり、無職になったことで慰謝料を取れなくなるなど、今後のあなたの未来に影を落としかねません。辛い気持ちは十分理解できますが、ぜひ冷静な行動をとってください。

③自分の気持ちの答えを出しておこう

証拠集めが終わり冷静さを取り戻したら、最後に自分はどうしたいのかをしっかり考えておきましょう。

もし再構築を望むのであれば、証拠を突きつけて相手と別れてもらう。きっぱりと別れて新しい道を進むなら、慰謝料を双方から取るため、法テラスなどで離婚に強い弁護士を紹介してもらい徹底的に戦う。

自分の取りたい進路を決めることで「次に自分は何をしたらいいのか?」といったことが明確になります。自分や子供たちの未来のために、後悔のない選択をしてください。

まとめ

公務員の仕事は一般的な仕事に比べ、「国や地方で国民から集めた税金で給与が支払われている」という観点から、より人目を気にする必要がある職業です。

また何よりも安定を求める昨今の女性にとって、福利厚生が手厚く生涯の雇用が約束されている公務員は、好意を寄せられる機会が多く誘惑が多い職業の一つでもあります。

しかしだからこそ、公務員の浮気にはどんなリスクがあるのか?を正しく理解し、間違った道へ足を踏み入れることを思いとどまるために、この記事を使ってください。

公務員は安定した仕事だからこそ、自分の不始末で仕事を辞めさせられたり、自ら辞めざるを得ない事態に陥った時、その後の自分の未来が大きく変わってしまう仕事です。

魅力的な異性から誘惑されたら、もし今も誰かと歪な関係を持っているなら、自分が支払っているリスクと現在の関係を天秤に乗せ、本当に釣り合っているかを自らに問いかけ直してください。