興信所ではどこまで調べられる?調査内容・費用・手段を詳しく解説

興信所や探偵事務所に依頼する時、「何をどこまで調べられるだろうか?」「こんな相談にのってくれるのだろうか?」と疑問におもいますよね。そこでこの記事では、興信所に依頼した場合、何をどこまで調べることができるのか具体例を用いて詳しく解説していきます。

普段利用しない場所だからこそ、どこまで調べてくれるのか?どのくらいの費用がかかるのか?どんな手段で調べるのか?など疑問点を解決していきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 興信所がどこまで調べられるか具体例を用いて紹介
  • 興信所や探偵事務所ではどんな手段を使って調べるのか
  • 興信所や探偵事務所に依頼する前に知っておきたい知識とは

興信所に依頼できる案件とは?

興信所にはどんな案件を依頼できるのでしょうか?事務所によって依頼できる内容は異なりますが、一般的に興信所や探偵事務所では以下のような相談を受け付けています。

  • 浮気調査
  • 人探し・家出調査
  • 身辺調査・結婚調査
  • 企業調査
  • いやがらせ調査
  • ハラスメント調査
  • ペット捜索調査
  • ストーカー調査
  • 証拠・監視調査
  • 盗聴・盗撮調査
  • 各種鑑定調査
  • 測定調査

興信所や探偵事務所といえば思い浮かべやすい、浮気調査・身辺調査だけでなく人探しや家出調査、この他にもいじめやご近所トラブルなどで役立ついやがらせ調査など、調査内容は多岐にわたっています。

自分の依頼したい内容が調査対象になっているかは、事務所ごとに異なるため、希望の事務所がどんな調査を行っているかはHPを確認するか、直接問い合わせてみましょう。

興信所ではどこまで調べられる?

できる調査が分かったところで、次は一般的に興信所や探偵事務所ではどんな調査を行えるのかを知っておきましょう。具体的には以下のことを調べることが可能です。

  • 氏名・住所・生年月日・電話番号
  • 家族関係・交友関係・異性関係
  • 離婚歴・職歴・会社での評判・近所での評判・友人間での評判
  • 借金の有無・浪費家などの金銭関係・過去の異性関係

またこれとは逆に、以下のことは調査しその報告をすることが禁じられています。

  • 対象者や対象一族の出身地
  • 対象者の戸籍謄本の入手
  • 対象者の信用情報(具体的な借金の金額)
  • 対象者の具体的な預金額
  • DV加害者が被害者を調べる行為
  • ストーカー加害者が被害者を調べる行為

つまり興信所や探偵事務所では、個人に関する様々な情報を収集できる反面、差別につながること、また預貯金や借金の具体的な金額といった本人にしか開示されない情報は調査することができません。

またそれだけでなく、DV加害者が被害者の情報を調べたり、ストーカー加害者が被害者の情報を調べる場合は、調査自体が行えないことになっています。

興信所ではどこまで調べられる?費用や具体例を使ってさらに詳しく知っていこう

興信所では何が調べることができ、何を調べられないかがおおまかに分かったところで、ここからは具体的な案件を元に、何をどこまで調べられるかより詳しいイメージを掴んでいきましょう。

興信所の身辺調査では何をどこまで調べられる?

興信所を使った身辺調査では、何をどこまで調べることができるのでしょうか?具体的に依頼が「婚約者の身辺調査」だとすると、以下のことが興信所で調査可能です。また婚約者の身辺調査をした場合の費用の相場は、婚約者本人だけであれば5万円~20万程度、婚約者親族もとなればさらに数十万円の費用が必要となります。

  • 離婚歴・実子の有無
  • 現在・過去の異性遍歴
  • ギャンブル癖の有無
  • 借金の有無
  • 暴力性・モラハラなどの有無
  • 両親や親族との関係
  • 学歴や職歴
  • 知人・友人関係
  • 反社会勢力や宗教などへの関わり

現在では婚活アプリでの出会いもポピュラーになっていることから、結婚するまで相手の詳しい背景について、本人の自己申告のみとなる場合が多々あります。

そうした背景から、結婚前に借金などの負債はないか?異性関係について不安はないか?それ以外にも、周囲の評判から暴力性やギャンブル依存などの可能性がないかなどについても興信所の調査でわかる場合があります。

またこうした貴重な情報を得られる反面、以下の情報についてはたとえ興信所が調査中に突き止めたとしても依頼者に伝えることはありません。

  • 対象者の出身地・親族の出身地
  • 具体的な借金の金額や預貯金の金額
  • 詳しい犯罪歴
  • 戸籍謄本の取得

上記の情報は、出身地域を調べることは差別につながる可能性があり、金融資産については個人情報となるため「探偵業法」では調査し報告できません。また犯罪歴についても、日本の探偵業者は、海外とは異なり警察の犯罪歴データベースにアクセスすることはできないため、詳しい犯罪歴を調べることも事実上むずかしいのが現状です。

また結婚歴などの確証を持つために、相手の戸籍謄本の取得を望む依頼者もいますが、こちらも本人か本人の直系親族、または委任状を持った人しか申請できない書類のため、興信所や探偵事務所が代わりに取得することはできません。

もし婚約者や結婚を考えている交際相手のことを調べる場合は、上記の中に自分の調べたいことが含まれているかを検討し調査を依頼しましょう。

興信所の浮気調査では何をどこまで調べられる?

興信所を使った浮気調査では、何をどこまで調べることができるのでしょうか?具体的には以下のことが興信所で調査可能です。また浮気調査の費用は10万円~100万円ほどとなり、調査日数・調査人数・調査難易度によって大きく左右されます。

  • 浮気の有無
  • パートナーの行動調査(いつ浮気をしているか?誰と浮気をしているか?どこで会っているか?など)
  • 浮気相手の身辺調査(氏名・勤務先・住所・連絡先など)
  • 離婚・裁判で有用な浮気の証拠収集

浮気調査では実際に浮気をしているか?という点や、浮気をしている場合は「誰と、いつ、どのように」浮気をしているかを調査できます。また浮気相手についても、氏名・勤務先・連絡先などの個人情報の調査を行うことができます。これだけでなく、浮気調査を興信所に依頼する場合、最も大切なことは離婚や裁判で有用な浮気の証拠を取得できる点です。

ただし、こうした浮気調査で有力な情報や証拠を取得できる反面、以下のような調査は行うことはできません。

  • 浮気相手の自宅や別居中パートナーの自宅への盗聴や侵入
  • パートナーのスマホやSNSへのログインや操作

浮気相手の家への侵入や盗聴は「住居侵入罪」、パートナーであっても勝手にスマホにログインしたりSNSのDMを見る行為は「不正アクセス禁止法」に違反する可能性があり、興信所や探偵事務所ではこうした法に触れる調査を行うことはできません。

また浮気調査の場合は、調査以外でも事務所によっては弁護士との連携が取れていたり、心理的ショックに対してカウンセラーが常駐しているなど、調査以外の部分についてもケアがあるかを確認したいところです。

興信所の人探しでは何をどこまで調べられる?

それでは人探しでは具体的にどんなことを調べることができるのでしょうか?今回は「家出人を捜索する」場合、具体的には以下のことが興信所で調査可能です。また家出人捜索の費用は10万円~100万円以上と大きく差があり、これはケースごとによって捜索難易度が大きく異なるためです。

  • 本人の現在の居場所・過去の居場所
  • 本人の氏名・住所・電話番号
  • 聞き込みなどによる交友関係・異性関係・職場関係
  • 探したい人物の残した私物の調査
  • 本人のPCの閲覧履歴やSNSなどの調査

家出人の捜索では、依頼者から寄せられた情報だけでなく、聞き込みなどにより周囲とどのような関係を築いていたのか?よく行く場所などはなかったか?などの基本的なことから、家出の際に残していった私物からメモやチケット予約券などはなかったか、など細かなところまで観察していきます。

また本人のSNSのアカウントが分かる場合は、返信やフォロワーなどで親しくしていた人はいなかったかなどを確認することもあります。他にも家出人捜索の場合は、その家出が突発的であったか?または計画的であったのか?などの点にも注目して調査を行います。

ただし家出人捜索では、場合によって以下のことはできません。

  • 戸籍謄本の取得
  • 判明した本人のSNSへのログイン

依頼者が直系親族に当たる場合は、住所を確かめるための戸籍謄本の取得はご家族によって行うことができますが、例えば友人や婚約者といった間柄の場合は、興信所であってもこうした書類を代わりに取得することはできません。

またこの他に例えば家族であっても、本人の承諾を得ないSNSへのログインなどは違法となってしまうため、興信所や探偵事務所などで調査を行うことはできません。このため「人探しでは必ず戸籍謄本が取得できる」と謳っている業者があれば、不正な調査を行っている可能性がある事務所だとの認識を持っておきましょう。

また人探しについての具体的な費用は、以下の記事も合わせてよんでおきましょう。

興信所の企業調査では何をどこまで調べられる

興信所を使った企業調査は、採用のために人物の素行調査を行ったり、取引企業に関して今後取引を継続させてもよいかなどを判断するため、資産や負債を調査するものです。

ここでは具体的に、「就職の際や転職の際に、企業側が行う個人の調査」では何を調査されるのかを知っていきましょう。具体的には企業による身辺調査では以下のようなことを調査されます。また企業が個人に調査を行う場合は、3万円~30万円ほどとなり調査件数によって割引を受けられる場合もあります。

  • 学歴や前職は正しいか
  • 社員の私生活に関する調査
  • 転職理由を正確に話しているか?前の職場での評判や成績は?
  • 不正な行動や反社会的な組織との繋がりがないか

企業が興信所などに個人についての調査を依頼する場合は、学歴や職歴に偽りがないかだけでなく、私生活でトラブルを抱えやすくないか?また前職の転職理由が事実と相違ないか?などを調査していきます。この他にも、社内の人物を調査する場合は、不正・横領・情報漏洩などの不祥事がないかどうかを確認していきます。

また企業調査では素行調査と同様に、

  • 調べる人物の出身地
  • 調べる人物の詳しい資産状況
  • 調べる人物の詳しい犯罪歴

といったことは、差別・個人情報であることから興信所からの報告を受けることはできません。


こうして各調査について、具体的に何が調査できなにが調査できないかを見ていくと、差別に繋がる情報や具体的な借財・預貯金などの個人情報、また不法侵入や不正ログインなどの法律に抵触する調査が行えないことがわかります。

もし興信所に依頼する前に「これは調べられるだろうか?」「この調査は行ってくれるのだろうか?」と迷った場合は、上記の具体的な例を当てはめつつ確認してみましょう。

興信所ではどんな手段で調べるの?

それでは、興信所が何をどこまで調べられるか、具体的な例が分かったところで、次は興信所などでは依頼をどのような手段を用いて解決していくのか知っていきましょう。

  • 聞き込み
  • 尾行
  • 張り込み
  • 独自のデータベースへの照合
  • 有料会員制データベースへの照合
  • 調査対象のSNSなどの調査

興信所や探偵事務所が行う主な調査は、「聞き込み・尾行・張り込み」ですが、その他にも各社がもつ独自のデーターベースに照合したり、または有料会員制のデータベースに照合することで依頼者の知りたい情報を集める場合もあります。

他にももし、調査対象のSNSが分かる場合は、こうしたSNSの履歴をたどることで依頼者の知りたい情報や証拠収集を行う場合もあります。

いずれも、素人が真似したり閲覧したりすることが難しいため、こうした具体的な調査方法を見ていくだけでも、目的のためにはプロに依頼するべきかを考える一つの判断材料となります。

興信所に依頼する前に知っておきたい3つの知識

興信所や探偵事務所がどんな調査を、どこまで行ってくれるか分かったところで、次は後悔しない依頼をするために知っておきたい知識を学んでいきましょう。

➀「探偵業法」を順守しているか?

興信所への依頼で失敗しない方法を学ぶ際に、まず最初に知っておきたいのが探偵業法の基礎知識です。

「探偵業法」とは正式には、「探偵業の業務の適正化に関する法律」といい2007年に制定されました。(参照:「探偵業の業務適正化に関する法律」法令検索より)

この法令によると、個人の依頼を受けて聞き込み・尾行・張り込みなどの調査を行う業務を「探偵業」と呼び、この業務を行うものは営業日前日までに公安委員会に届け出を行うこと、また依頼人に重要事項の説明を行う義務を課すことなど探偵業を営む業者への様々な法整備が行われました。

この以前は、一部の悪徳業者で調査金額を相談段階では曖昧にしておき、後から多額の調査費用を請求したり、不法侵入・私文書偽造など不正な調査を行う悪徳業者が横行していました。しかしこの法令が成立したことにより、そうした悪徳業者に対して、事務所名を開示した行政処分を下せるようになったり、届け出を行っていない悪徳業者を見極めやすくなりました。

このため悪徳業者を見分けるためには、「探偵業法」に順守した営業をしているかという視点を持っておくことが大切です。

②3つの書類製作に不備はないか?

前述で紹介したように現在では、興信所や探偵事務所では「探偵業法」に基づいて営業を行っているため、悪徳業者を見分けるためにまずは以下の3つの書類を確認しましょう。

調査を依頼する場合、以下の3つの書類制作をしなくてはいけません。

  • 重要事項説明書(探偵業契約前書)
  • 調査契約書(探偵業契約後書面)
  • 調査目的確認書(誓約書)

重要事項説明書(探偵契約前書)は、この中でも最も大切で

  • 具体的な探偵業務の説明(調査内容・人数・調査範囲)
  • 具体的な料金説明(追加料金や成功報酬の有無・最終的な調査料金の合計)
  • 契約解除に関する項目(違約金の有無・違約金の金額と支払い時期)

が記載されており、この書面の内容に納得するかどうかで依頼するかを判断することになります。ただし悪徳業者の場合は、これを書面で残すのを嫌がったり、または調査費用の最終合計金額の記載をわざとせず後から多額の追加料金を請求しトラブルになることがあります。

見積もりをしたからといって、必ず契約する必要はありません。そしてこの3つの書面は、合法的に営業をしている興信所や探偵事務所では必ず必要な書類です。このためもし、この書類について作成されずに調査を行おうとした場合や、書類があっても記載するべき事項が抜けている場合は、悪質な業者と判断し契約を結ばないようにしましょう。

③誇大広告や違法な業務をしていないか?

誇大広告や違法な業務を行っていないかを確かめましょう。具体的にはHPや面談の際に、以下の文言を使っている場合は契約するのは控えましょう。

  • 解決率100%・絶対に解決します
  • 業界最安値
  • ○○が取得できます
  • 代わりにお金を取り返せます

どんなに優秀な人材が揃っていても、必ず問題が解決するとは限りません。現実的な運営をしていれば、「100%」や「絶対」といった表現をすることはできないため、こうした文言をHPや面談の際に、前面に押し出している場合は信用性は低くなります。

これと同様に、「業界最安値」といった料金について、他の事務所よりも圧倒的に値段が安い場合も注意が必要です。中には調査員をアルバイトで賄い、その分費用を安く済ませている業者もおり、こうした業者であれば費用は安くても調査能力が低い場合も多く、欲しい結果が得られない可能性も出てきてしまいます。

また「どこまで調べられる?」の項目で詳しく説明したように、「戸籍謄本の取得ができます」「住民票が取得できます」など、本来では行えない業務を取り扱う業者もありますがこれは「探偵業法」に抵触しており、安心して任せられる業者とはいえません。

こうしたことの派生で「詐欺被害でだまし取られたお金を、代わりに取り返せます」などと発言する業者もいますが、こちらは弁護士法に抵触する非弁行為にあたり、違法となるためこちらも「探偵業法」で認められない行為です。

どの言葉も不安を払拭し、して欲しいことをやってもらえる甘い言葉に聞こえますが、興信所や探偵事務所の行える業務の範囲をきちんと学ぶことで、こうした言葉は試験紙となり信用できない業者を見分けることへと繋がります。

まとめ

多くの人にとって興信所や探偵事務所は、あまり馴染みのない場所です。だからこそ「自分の希望をきちんと叶えてもらえるだろうか?」「知りたいことがちゃんとわかるだろうか?」と不安になるかもしれません。

しかし「どんなことを、どこまで調査してもらえるか?」を、事前にきちんと理解することで、後悔の少ない依頼を行うことに繋がります。

またもし自分で判断に迷う場合は、まずは各社が行っている無料相談の窓口に悩みを打ち明け、自分の悩みにはどんな解決法があるかを知ることから始めましょう。

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