セックスレスは浮気の原因になる?定義や離婚を回避する方法を解説

セックスレスが原因の浮気や離婚について解説!慰謝料請求3つのポイントとは

既婚者が浮気をする理由にはさまざまなものがあります。パートナーとのセックスレスもそのひとつです。パートナーとの性交渉の頻度が減った、全くないという理由から、浮気に走ってしまいます。なかにはセックスレスだから浮気しても構わないと考える人もいるほどです。

この記事では、セックスレスの定義や浮気との関係性などを解説します。

この記事を読んでわかること
  • セックスレスの定義や原因
  • セックスレスと浮気の関係性
  • セックスレスが原因の離婚や請求について

セックスレスの定義は?

セックスレスとは、夫婦やカップル間で一定期間性交渉が行われない状態を指します。日本性科学学会によれば、1ヶ月以上性交渉がない場合をセックスレスと定義しているものの、期間については、個人の価値観や関係の状況によって異なります。(※1)例えば、性生活における必要性や重要性をどれくらい感じるか、また性生活がどれほど夫婦関係に影響するかなどは、カップルごとに大きく違います。

セックスレスの状態が続くと、身体的な不満が溜まるだけでなく、感情面でも気持ちに変化が現れます。お互いの気持ちに距離が生まれ、最終的に浮気や離婚につながってしまうおそれがあるでしょう。

セックスレスが生じる背景には、パートナー間での価値観の違いや、身体的・精神的な要因、あるいは生活の忙しさやストレスなどが影響している場合が多いです。こうした要因が積み重なると、セックスレスが引き起こす問題が深刻化し、浮気や別れの原因となりやすくなります。

ジェクス・ジャパン・セックスサーベイ2020の報告書によると、「セックスしたいか」という質問に対して、男性77.9%・女性41.4%が「したい」と答えています。「したい」と特に多く回答されているのが、男性40代の85.9%、女性20代の60.2%です。(※2

この結果を見ると、セックスレスでも円満に夫婦生活を維持するのは難しいことが分かります。

夫婦のどちらか一方がセックスをしたいと思っているのにもかかわらず、どちらか一方がセックスを拒否している場合、不満を感じる方が浮気をしてしまう傾向にあります。

前述の、ジェクス・ジャパン・セックスサーベイ2020の報告書によると、「セックスしたいか」という質問に対して、「したい」と特に多く回答されているのが、男性40代の85.9%です。(※2

多くのセックスを望む男性にとって、セックスは心のつながりと同じくらい大切なものです。ところが、なんらかの理由によって妻とセックスレスになってしまい、長期化してしまった場合、浮気をすることでセックスへの欲求を満たすようになるでしょう。

妻とセックスレスになってしまうのには次のきっかけがあります。

セックスの価値観は人それぞれ

上述のようにセックスの価値観は人それぞれです。そのため、性交渉の頻度や重要性については、人によって捉え方が異なるでしょう。

さらに、パートナーのセックスに対する態度や価値観の違いも問題を深刻化させることがあります。セックスレスが原因で浮気したいと感じる人がいる一方で、セックスレスで浮気されるのは仕方ないと思う人もいます。

セックスレスになる原因

セックスレスの原因はさまざまであり、個々の体調や精神状態が影響を与えることもあります。セックスレスを解消するためには、原因を明確にし、適切に対応することが大切です。

ここでセックスレスになる原因について夫、妻、それぞれの側で解説します。

夫の原因

夫がセックスレスになってしまう原因は次のとおりです。

  • 精力の低下や健康状態
  • 妻への興味喪失
  • 性的な不安や自信喪失

それぞれの原因について詳しくみていきましょう。

精力の低下や健康状態

年齢を重ねるとともに、男性の性欲は低下するのが一般的です。特にストレス過労健康面での問題が重なると、性的な欲求が減退することがあります。その結果、妻との性交渉を避けるようになり、セックスレスが進行します。

夫の精力が低下したことが妻の浮気を引き起こす原因となることも少なくありません。

妻への興味喪失

夫が妻に対して興味を失うことは、セックスレスの大きな原因のひとつです。日常的なコミュニケーション不足感情的な冷え込みが続くと、夫は妻に対する性的な興味を失ってしまうことがあります。その結果、セックスレスが長引き、浮気に繋がることがあるのです。

このようなケースでは夫が別の女性と浮気する、もしくは夫とのコミュニケーションが減った妻が別の男性と浮気するといったケースにつながりかねません。

性的な不安や自信喪失

男性が性的なパフォーマンスに対する不安を感じると、セックスレスにつながります。過去に失敗した経験年齢による体調の変化プレッシャーを感じることが原因で、セックスを避ける男性もいるでしょう。

このような不安が浮気を引き起こす原因となり、妻が浮気しても仕方ないという考えに至ることもあります。

妻の原因

妻がセックスレスになってしまう原因は次のとおりです。

  • 身体的および心理的な不調
  • 夫への不満や冷めた気持ち

身体的および心理的な不調

妻がセックスレスになる原因には、身体的な不調や心理的な要因が多く関わっています。出産後や更年期など、女性の体はホルモンバランスの変化を経験します。これにより、性的欲求が減退する人もいるでしょう。さらに、過度な仕事のストレス育児の負担が影響し、セックスへの関心が薄れることがあります。

夫への不満や冷めた気持ち

夫が浮気をしている、あるいは無関心である場合、妻はその不満を他の男性との関係に求めることがあります。感情的なつながりが薄れることで、浮気が現実のものとなってしまうでしょう。

浮気相手との感情的なつながりが強まってしまうと、関係が長期化する恐れがあります。

セックスレスが浮気に与える影響

夫や妻のセックスレスがなってしまうと、浮気に影響を与えてしまいます。

ここではセックスレスが夫、妻の浮気に与える影響について解説します。

夫の浮気に与える影響

セックスレスが続いている夫のなかには、浮気への欲求が高まり、実際に行動に移してしまう人もいます。妻との性交渉が疎遠になったことで、外部で性的な満足を求めるようになるのです。

また、浮気をしたことに対し、「セックスレスだから浮気は仕方ない」と感じることもあります。妻がセックスに対して消極的なせいで自分の欲求が満たされないため、外で欲求を満たすことは仕方がないことだと考える心理です。

妻の浮気に与える影響

妻もまた、セックスレスが続くと浮気に走る可能性があります。例えば夫が、妻や妻との性交渉に無関心である場合、その状況を理由として浮気をすることがあるでしょう。特に、夫自身の浮気が許容されている場合、妻も同じように浮気をしてしまうことが多いです。

セックスレスで浮気されたけど離婚したくない人が取るべき行動

セックスレスが原因で夫や妻に浮気されたとしても、人によっては離婚したくないと考えることもあります。

このように夫や妻に浮気されたけど離婚したくないと考える人は次のような行動を取りましょう。

  • 相手の浮気の証拠を集めておく
  • 浮気相手との関係を絶たせる
  • 今後について考える

相手の浮気の証拠を集めておく

浮気されたと感じたとき、まず重要なのは証拠を集めることです。証拠を集めることで、冷静に状況を把握し、今後の対応を考える材料を得ることができます。

浮気の証拠としては、浮気相手との不貞行為(肉体関係)が分かる写真や動画が有力です。

証拠を集める際は、合法的な方法を選ぶことが重要です。違法な手段で集めたとしても、証拠としては機能しないどころか、自身に罰則が科せられかねません。

証拠収集は探偵に依頼するのがおすすめ

パートナーの浮気の証拠は自力で収集できるものの、意図せず法に抵触してしまう可能性があります。そのため、無理に自力で証拠を集めるのではなく、プロである探偵に依頼を検討してみましょう。探偵であれば、法律に配慮したうえで効力のある証拠を収集してくれます。

浮気相手との関係を絶たせる

浮気が発覚した場合、浮気相手との関係を完全に断ち切る必要があります。しかし、たとえ浮気相手と別れさせたとしても、夫婦間で信頼が崩れている状態であれば、関係修復は難しいでしょう。

浮気相手との関係が長期化している場合、別れさせることも困難です。パートナーの気持ちが完全に戻らないこともあるかもしれません。

このような状況で大切なのは、冷静に行動し、感情的にならないことです。浮気相手に直接連絡を取ることもできますが、相手に対して過激な行動を取るのは禁物です。もし、自分で対応できる自信がない場合、第三者を介して関係を断ち切る取り組みを検討しましょう。

あわせて、パートナーに浮気相手との関係を絶つことを強く求めることが大切です。もしパートナーがその要求に答えず浮気を継続している場合、関係修復の見込みが薄いと判断し、離婚を視野に入れることも考えなければならないかもしれません。

今後について考える

パートナーの浮気が発覚した場合、今後どのようにして関係を修復していくかを真剣に考えることも大切です。離婚を避けたいのであれば、関係の再構築に向けてどのような努力をするかをパートナーと共に考え、行動に移すことが大切です。

まずは、冷静に自分とパートナーの気持ちを整理し、お互いがどれだけ関係修復に向けて努力する意志があるかを確認しましょう。もし、感情的な対立が続くようであれば、カウンセリングを受けることもおすすめです。第三者が間に入ることで、冷静な対話ができるようになり、解決への道が開けることがあります。

また、セックスレスの原因や浮気に至った理由を深く探ることも重要です。セックスレスが浮気の原因であった場合、お互いにどのようにしてこの問題を解消するかを話し合い、実行することが関係修復の鍵となります。例えば、定期的なコミュニケーションをとり、セックスレスを解消するために小さな努力を積み重ねていくことが必要です。

相手を責めない姿勢が大切

夫婦間で信頼を取り戻し、再び心の通った関係を築くためには、相手を責めるのではなく、共に問題を解決しようという姿勢が大切です。

浮気をされると、つい相手を一方的に責めてしまいがちです。しかし、責めてばかりいると相手が話し合いから降りてしまう可能性があります。その結果、関係修復が困難になりかねません。パートナーと一緒に関係を修復していくためには、時間と努力が必要ですが、しっかりと向き合っていきましょう。

離婚を回避するならセックスレスの解消に取り組む

セックスレスが原因でパートナーが浮気したとしても、離婚を回避することは可能です。

原因であるセックスレスの解消に取り組めば離婚の回避が期待できるでしょう。セックスレスを解消する方法として以下が挙げられます。

  • 日常的にスキンシップを心がける
  • 丁寧なコミュニケーションを心がける
  • カウンセリングを受ける

日常的にスキンシップを心がける

セックスレスを解消するためには、日常的なスキンシップが重要です。手をつなぐハグをするなど、身体的な接触を増やすことがパートナーとの感情的な繋がりを強化します。セックスレスを解消するためには、まずはお互いの心の距離を縮めることが重要です。

丁寧なコミュニケーションを心がける

セックスレスを解消するためには、お互いの気持ちやニーズを理解し合うための丁寧なコミュニケーションが欠かせません。セックスについてオープンに話し合い、お互いの気持ちを尊重することで、関係は改善され、セックスレスも解消される可能性があります。

カウンセリングを受ける

セックスレスの解消には、カウンセリングが非常に有効です。カウンセリングでは、専門のカウンセラーが夫婦間のコミュニケーションの改善や、セックスに対する不安や不満を解消する手助けをしてくれます。そのため、お互いの気持ちを理解し合い、セックスレスの原因を根本から見つめ直すことができるでしょう。

カウンセリングを通じて、信頼回復や新たな関係構築に向けての具体的なアクションプランを立てることが可能です。

セックスレスと離婚の関係

セックスレスそのものやセックスレスによって浮気された場合、離婚を検討する人もいるでしょう。

セックスレスを原因に離婚を検討する場合、離婚を切り出された場合は次のような関係を把握しておくことが大切です。

  • セックスを拒否した側でも離婚を請求できる
  • セックスを拒否した側でも慰謝料を請求できる
  • 親権は監護実績に基づく
  • 財産分与にセックスレスは影響しない

セックスを拒否した側でも離婚を請求できる

セックスレスが続く場合、セックスを拒否した側でも離婚を言い渡すことができます。当事者同士の話し合いで決まる協議離婚であれば、どのような理由であっても離婚の提案が認められます。そのため、セックスを拒否した側であっても離婚を切り出すことが可能です。

万が一、調停や裁判となった場合、争点はどちらが離婚の原因を作った配偶者(有責配偶者)であるかという点です。しかし、セックスを長期間拒否していただけで有責配偶者と認められるのは一般的ではありません。

それどころか、セックスレスを理由にパートナーが浮気をしているのであれば、相手が有責配偶者と認定されるのが一般的です。

セックスを拒否した側でも慰謝料を請求できる

たとえセックスレスが原因で浮気が発覚した場合でも、慰謝料を請求することは可能です。しかし、夫婦関係がすでに破綻しているかどうかが重要な判断基準となります。セックスレスだけで関係が破綻していると判断されるわけではなく、夫婦間で会話を重ねたり、一緒に過ごした時間がどれだけあったか、お互いに関係を修復するために努力していたかが評価されます。

もし、セックスレスの理由が性的DV(避妊の拒否や過去のトラウマなど)であった場合、その証拠をしっかりと保存しておくことが重要です。病院の領収書や証拠を集めることで、慰謝料請求が認められやすくなります。

親権は監護実績に基づく

離婚後の親権に関しては、セックスレスや浮気が直接的に影響することは少なく、最も重要視されるのは監護実績です。子供の養育に関する実績があれば、浮気した側でも親権を持つ可能性があります。特に日本では、母親が主に子どもを育てることが多いため、浮気をした妻であっても親権を得やすい傾向にあります。

そのため、夫が妻の浮気を理由に離婚を申し立て、親権を取得しようと考えていても、必ずしも自分に有利になるわけではありません。親権を得たい場合は、裁判に進む前に弁護士に相談し、適切な準備を進めることが重要です。

財産分与にセックスレスは影響しない

セックスレスや浮気が財産分与に影響を与えることは基本的にありません。財産分与は、結婚期間中の貢献度生活の維持に関わる要素が評価されます。そのため、セックスレスや浮気があったとしても、財産分与の割合に変化を与えることはありません。

ただし、離婚に際して財産分与についての交渉が行われるため、相手の財産状況を確認しておくことが重要です。事前に相手の資産状況を把握し、離婚後の生活に必要な資産がどれくらいかを見極めておくことが賢明です。

セックスレスが原因で浮気されたら証拠収集をしておこう

セックスレスとは夫婦やカップル間で一定期間性交渉が行われない状態を指し、一般的には1ヶ月以上性交渉がない場合が該当します。精力の低下や健康状態、パートナーへの興味が失われることで、セックスレスになってしまいます。セックスレスになってしまうとパートナーの浮気につながりかねません。

セックスレスが原因であっても、パートナーが浮気している場合は相手に対して慰謝料を請求可能です。浮気をしているパートナーに対して離婚を言い渡す、慰謝料を請求するためには証拠収集が欠かせません。法律に配慮して証拠収集を進めましょう。安全に証拠を集めるのであれば、専門家である探偵に依頼するのがおすすめです。